【時視各角】タダの昼食はないようにタダの財政はない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.09 11:01
全国に負債中毒が広がっている。背景はふたつ。ひとつはお金の価値があまりにも安いという点で、もうひとつはますます深まるポピュリズムの風だ。ふたつのうち根本的な背景は超低金利だ。2008年の金融危機以降に本格化した超低金利は2009年のスウェーデンを筆頭に欧州の主要国と日本でマイナス金利につながった。だが効果はなく、住宅価格急騰と財政悪化のような副作用ばかり大きくなっている。
韓国も例外ではない。超低金利で資金調達が楽になると民間も政府も「とりあえず使ってみよう」と借金を恐れない。政権発足初期から財政を大きく膨らませてきた現政権はコロナ対応を契機に財政を注ぎ込んでいる。危機には非常な対策が必要なのは正しい。だが▽政治的意味合いがなく▽浪費せずにお金を使わなければならない。現実はこれと異なる方向に進む。ほとんど毎年選挙が行われ予算をばらまく。全国民に13兆ウォンをばらまいた第1次緊急災害支援金はどうだったか。消費は瞬間的な効果にとどまり、残ったのは負債だけだ。負債中毒の決定打となる「人はタダが好き」という世の中の真理だけ改めて確認した格好だ。しかし世の中にタダはない。