北朝鮮が仮想貨幣取引所や国際金融取り引き網、現金自動預け払い機（ＡＴＭ）システムなどに対するハッキングで不法資金を得ているとボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）が米司法当局文書と専門家などを引用して４日、報じた。北朝鮮がハッキングであげた収益は最大２０億ドル（約２０００億円）と推算した。

特に、専門家パネルは北朝鮮がサイバー空間を活用する理由について「リスクは小さく利益は大きく」、「探知が難しいだけでなく、技術が精巧で責任糾明も難しいため」と明らかにした。

英国王立防衛安全保障研究所（ＲＵＳＩ）のカイル・ライジェンマン研究員はＶＯＡに「北朝鮮のハッカーはロシアと中国を除いた他の制裁対象国に比べて『はるかに発展したサイバー犯罪行為者』だ。仮想貨幣と金融システムに対する処理方式と制裁回避方式が異なる対象国と違う」と指摘した。また「北朝鮮が国家的目標を追求するために仮想貨幣を利用していると推定すると言える」ともした。

ＶＯＡはサイバー空間で不法活動を通した北朝鮮の資金奪取は米国務省と国連安全保障理事会対北制裁委員会傘下専門家パネル、民間専門家などがずっと警告を送ってきたと伝えた。

米国のブロックチェーン取り引き分析会社「Ｃｈａｉｎａｌｙｓｉｓ」のジェシー・スピロ局長は「北朝鮮が２０１５年から現在まで５年間少なくとも米貨幣１５億ドル規模の仮想貨幣資金を奪取したと推定される」として「他の国の行為者などの奪取規模よりはるかに大きい」と話した。

対北制裁委員会傘下専門家パネルは今年報告書で北朝鮮が１５億ドル相当の仮想貨幣を奪取したと推算したと伝えた。

米財務省は昨年９月、「ラザルス」「ブルーノロフ」「アンダリエル」など北朝鮮のハッキンググループが２０１７年１月から２０１８年９月までアジア地域の取引所５カ所を攻撃して暗号貨幣だけで５億７１００万ドルを奪取した可能性を提起した。

米司法当局は北朝鮮が２０１８年から２年間２億５３００万ドル規模の仮想貨幣を奪取したとみている。この中で最大規模は２０１８年韓国仮想貨幣取引所へのハッキングで奪取した２億５０００万ドルだ。

この他、米連邦検察は先月２７日没収訴訟状で北朝鮮ハッカーが昨年７月と９月２回にわたってそれぞれ２７万３０００ドルと２４７万ドル相当の仮想貨幣を奪取したと明らかにした。

サイバー安保戦略専門家である米シンシナティ大学のリチャード・ハークネット教授は「サイバー空間が北朝鮮政権に仮想貨幣詐取だけでなくＡＴＭ取り引き改ざん、銀行金融網攻撃など公開市場操作を通じて資金に直接アプローチするる新しい機会を作った」と話した。