「経済回復のカギは財政にある」（金太年「共に民主党」院内代表）

「財政が最後の砦としての役割を全力投球する」（洪楠基経済副首相）

２６日に国会で開かれた「２０２１予算案編成党政協議会」で、民主党と政府は来年度の「スーパー予算」を予告してこうした立場を見せた。金院内代表は「十分な財政投入が必要だ。財政が韓国経済が早く再び立ち上がれるように役割をしなければならない」ともした。政府与党の青写真に野党圏では「財政万能主義」という懸念の声が出ている。

政府与党は来年の予算増加幅を「過去２～３年間の増加率を考慮して決めよう」ということで意見を集約したという。今年の本予算５１２兆３０００億ウォンの前年比増加率は９．１％、２０１９年の４６９兆６０００億ウォンは９．５％だった。これを土台に来年の予算規模は５６０兆ウォンに迫るという見通しが出てきた。１９８０年に健全財政という概念が導入されてから政府が３年連続で超スーパー予算を編成したのは前例がないことだ。金融危機当時の２００８年に８．５％、２００９年に１０．６％増額したが、２０１０年には増加率が２．９％にとどまった。

政府与党はこの日、文在寅（ムン・ジェイン）大統領の大統領選挙公約だった高校無償教育を当初計画より１年繰り上げて来年から全面施行すると発表した。教育部はこれに先立ち２０２１年の無償教育全面導入対象１２６万人にかかる費用を年２兆ウォンほどと試算した。このうち半分ほどを中央政府が負担する案が有力だ。入学金、授業料、学校運営支援費、教科書費など生徒１人当たり約１６０万ウォンを支援し、家計の可処分所得が月１３万ウォンほど増えるとみている。

消費促進、小商工人支援に向けた地域商品券発行規模は６０％以上増やす。民主党のチョ・ジョンシク政策委員会議長は会議直後に「２０２０年に本予算・追加補正予算を合わせて地域商品券９兆ウォンを発行するが、来年は１５兆ウォンに拡大することにした」と話した。

「韓国版ニューディール事業」には当初計画通り２０兆ウォン以上を投じる計画だ。チョ議長は「ニューディール予算の相当部分をデータダム、知能型政府、グリーンスマートスクール、国民安定インフラデジタル化、未来車などの１０大事業に大幅に投じることにした」と説明した。政府与党は青年雇用問題解消に向けた「青年希望パッケージ支援事業」にもニューディールと同規模である２０兆ウォン以上を編成すると明らかにした。

問題は国の負債がすでに危険水準に上がっている点だ。企画財政部が１１日に発刊した「財政動向８月号」によると今年１月から６月までの累積財政赤字（管理財政収支基準）は１１０兆５０００億ウォンに達する。半期基準で過去最大の赤字記録だ。昨年の年間累積赤字５４兆４０００億ウォンの２倍をすでに超えた。

未来統合党のペ・ジュンヨン報道官はこの日「日照りに恵みの雨が降るように急いで議論すべき第４次追加補正予算には財政を理由に難色を示し、来年度にまたスーパー予算編成を云々するのは納得しがたい」と論評した。「何の効果も検証されていない韓国版ニューディールに対し野党との調整や国民的合意もなく２０兆ウォン以上を反映するというのは短期雇用を増やしたり単発の事業を通じて選挙で利益を得ようとする政治的意図があるのではないかと疑わしい」と指摘しながらだ。

来年度予算案は閣議決定を経て来月３日に国会に提出される。与野党が毎年１１月ごろに細部内訳を審査するが、政府与党はこれに先立ち第２次緊急災害支援金支給案などを含んだ今年の第４次追加補正予算案編成を検討する計画だ。