【コラム】政府万能主義という毒=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.08.25 11:07
新型コロナウイルスのためだろうとは思いながらも国の経済がとてもおかしな方向に突き進んでいるという考えを消すことはできない。いくつかだけ見てもそうだ。(1)7月の就業者は前年より27万7000人減ったが、60歳以上だけは37万9000人増えた。主に政府が金を払う高齢者雇用事業のためだ。(2)4-6月期の世帯当たり月平均所得は前年より4.8%増えたが、実際に働いて得る勤労所得は5.3%減、事業所得は4.6%減となった。所得全体を増やしたのは主に政府が給付した緊急災害支援金だった。(3)高騰する住宅価格を抑えるという政府が容積率緩和をニンジンに掲げた公共財建築を提示した。ここには韓国土地住宅公社やソウル住宅都市公社が参加しなければならないという条件が付けられた。(4)現政権は収入より支出がはるかに多い。その結果上半期の政府財政(管理財政収支)は110兆5000億ウォンの赤字で、過去最大だ。
1~4の事例を貫く考え方がある。雇用も政府が与え、消費する現金も政府が与える。家を作るのも政府が覗き見る。いわゆる「政府万能主義」だ。政府がすべての問題を直接解決しようとするということだ。光の速度で増えている国の債務はそれと無関係ではない。その負債をどのように減らし返していくのか現政権は話さずにいる。