【コラム】韓国はなぜ悪性の青年失業に陥ったのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.28 13:55
トマス・モアの『ユートピア』に匹敵する東洋の理想社会は尭舜時代の伝説の中に存在した。尭がある日、微服して民政を視察した。ある老人が口いっぱいに食べ物を頬張って腹をたたきながら楽しそうに歌っていた。「日が昇れば働いて、日が沈めば休むが、王の力が私に何の意味があるのか」と。このように尭舜時代は腹を満たせるほど高い所得が提供される良い働き口を老年まで得られる時代だった。すなわち、尭舜ユートピアの要諦は「良い職場の豊かさ」にあった。体感失業率が27%に迫り、青年が良い働き口の不足で挫折している現在の韓国社会とは対照的だ。
現代的な意味で良い働き口とは、職業とは関係なく毎年所得が速いペースで増える職場だと定義することができる。望ましい社会とは、単に雇用だけが多い社会ではなく、このように所得が増える良い職場が多い社会だ。良い職場の数は国の長期的な経済成長能力に全面的に依存する。経済成長率が高いほど良い職場が増え、成長率が低いほど良い職場は減る。簡単に言えば、良い職場と経済成長はコインの裏表と同じだ。