15年の執念…日本にあった高麗螺鈿箱、ようやく韓国の地に
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.03 07:42
「15年前に日本所蔵者のギャラリーで初めて見た瞬間に心を奪われた。精巧なつなぎ目と華やかな文様が一糸乱れることなく調和を織りなしていた。ひと目で文化財宝物級だということを知ることができた。絶対に持って帰ってきたかった。ようやくその思いを果たした」
2日、国外所在文化財財団の崔應天(チェ・ウンチョン)理事長〔61、東国(トングク)大学美術史学科教授〕は明るい笑顔を浮かべた。高麗螺鈿漆器工芸品の中で、「螺鈿箱」は世界に3点しか存在しない。そのうち日本にあった1点が韓国に帰ってきて、この日ソウル古宮博物館でメディアに公開された。文化財庁の委任を受けた財団が、80代の日本人所蔵者と何度も交渉して買い取りに成功した結果だ。
学部時代、仏教美術(工芸)を専攻した崔氏は国立中央博物館展示チーム長時期からこの問題に関わってきた。世界にたった20点余りしか伝えられていない高麗螺鈿漆器が、韓国文化遺産のレベルの高さと誇りを示すことができるという確信からだ。そのうえ、完全な形で残っているのは15点のみだという。このうち4点が東京博物館に所蔵されていることを知り、2005年に半月間の研究交流を自ら要望して日本に行った。