【コラム】リショアリング? 夢にも思わないでください=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.08 11:53
「ついに先進国になった。社会学専攻45年ぶりに劣等感を克服した」。先週韓国日報フォーラムで告白した筆者の心情だ。周囲を再び見回すことになった。地方都市でも貧村は珍しく路地は清潔だ。農村や山村の風景も困窮する姿を振り払って久しい。小さな土地でもコンパクトな家で家族の生計を立てる作農技術を発揮し、自家用車と農機具もすべて備える。大都市の貧民街は高層マンションの森になった。追い出された人もいるがスラム街には流れ込まない。スラム街がない国が先進国ならば、韓国は既にずいぶん前から先進国だ。
特に医療がそうだ。国民皆保険が導入された1989年以降に韓国の医療体制は公共、民間混合経路を慎重に歩いてきたが、ある日新型コロナ問題で韓国が世界最高であることを教えてくれた。感染力が超特級の新型コロナウイルスが韓国の防疫網を突破しようと全力を挙げているが無駄なことだ。欧州では手術患者は数万人の待機リストに名前を上げなければならない。1997年に英国で100万番目の順番を受けた赤ちゃんが死亡した。当時のブレア労働党代表は公共医療改革公約を掲げて首相に当選した。
その後20年過ぎても医療競争力は後退した。こうした事情はイタリア、スペイン、フランスもやはり似ている。米国の医療はお金だ。保険会社が一定地域の診療病院と医師と看護人材、検査専門病院をひとつにまとめて保険商品として売る。3人家族基準で月2000ドル水準。1984年、スーパーの駐車場で黒人が泣いていた。「娘が病気だが病院に行けません」。オバマケアが導入され少しは良くなったが現実はほとんど変わらない。新型コロナ感染者も息切れがすれば救急車が駆け付けるが全快後に払う代金がもっと心配だ。MRI(磁気共鳴映像)とCT(コンピュータ断層)撮影を負担なくする国が韓国だ。