【社説】憲法上の表現の自由と韓国政府の「対北ビラ禁止法」発想
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.05 10:37
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹であり報道官格である金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が4日、脱北民団体のビラ散布に強い不快感を表わし、南北軍事合意破棄の可能性をちらつかせた。すると韓国統一部は緊急記者会見を自ら要望して「ビラ散布中断法律案を準備している」と明らかにした。続いて青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者も「ビラは百害無益な行為」とし「安保に危害を加える行為には政府が断固として対応していくだろう」と話した。
南北関係改善が望ましいのは確かだが、主権国家として守るべき最低限のラインはあるものだ。ビラ散布は韓国の憲法が保障している「表現の自由」に直結する権利だ。南北対話や境界隣接地域の国民の安全に負担になる場合があるが、あくまでも韓国政府と国民の自律的決定に任せる事案だ。ところがこの重要な懸案を政府は北朝鮮ナンバー2が談話を発表してから4時間半で、事実上、そのまま受け入れる行動を取った。北朝鮮に対する低姿勢を超えて「屈従」と批判を受けても行き過ぎではないようにみえる。