【コラム】真実の最大の敵は神話だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.04 17:16
外交は歴史観の投影だ。米中対立は険悪だ。貿易、香港国家安全法、軍事力対立の総体的対立だ。両国は韓国を圧迫する。文在寅(ムン・ジェイン)外交はどの道なのか。中国と仲良くするのは難しい。記憶の整頓が選択の出発だ。それは誤った神話、失敗した仮説、生半可な予測から抜け出すことだ。
まず対象はカイロ会談(1943年11月)だ。宣言文に植民地朝鮮の独立条項が盛り込まれた。「臨時政府金九(キム・グ)主席の要請に伴う中国蒋介石総統の努力のおかげだ」。この話は長い間の常識だ。神話に格上げされた。それは真実なのか。金九の要請は確かだ。蒋介石の役割は途轍もない誇張だ。
エジプトの首都カイロに米大統領フランクリン・ルーズベルト、英国首相ウィンストン・チャーチル、蒋介石が集まった。韓国独立はルーズベルトと蒋介石の会談の付随的議題だった。蒋介石の台湾政府の記録(1956年)はこうだ。「蒋総統が朝鮮の独立を認める必要性を強調した」。米国務省の関連記録(FRUS、1960年代秘密解除)は反対だ。ルーズベルトの指摘は衝撃だ。「(蒋介石の)中国が満州と韓国の再占領を含む広範囲な野心を持っているのは疑う余地がない」。