【中央時評】西洋優越主義の終焉?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.04.03 11:38
新型コロナウイルス感染症は挑発する。米国と欧州の西洋優越主義の神話に疑問を投げかける。「グローバルリーダーの米国」「先進国の欧州」という固定観念を拒んでいる。国際秩序を主導してきた大西洋同盟を揺るがす。19世紀の植民地主義、20世紀の第1次・第2次世界大戦を経て、ソ連解体と冷戦終結、米国の独走まで200年の長い歳月、世界に号令をかけていた西洋の覇権を脅かす。飛行機に乗ったウイルスにもろくも翻弄される自らの実体と墜落に西欧は慌てている。
最近、米国・英国・フランスのメディアが「コロナの後」に直面する東洋・西洋の権力移動に神経をとがらせている。米国の外交専門誌フォーリンポリシーは「コロナ・パンデミックが世界を永久に変えるだろう」としている。続けて「パンデミックが生活を疲弊させ、市場を崩壊させ、政府の無能を露呈させたように、国際社会の政治的、経済的パワーの決定的な変化をもたらすことは明らかだ」と診断している。英紙ガーディアンは「西洋というブランドのオーラが色あせた。コロナは西洋から東洋へと力と影響力を急速に転換させるだろう」と分析した。西洋の後退を懸念するのには合理的な理由がある。
まず、「偉大な米国」が覇気を失った。「目に見えない敵」との戦いでトランプ大統領の慢心と誤判が完璧な失敗を招いた。世界最高の医療先進国で信じられないことが目撃された。人気のない恐怖のニューヨーク、防護服がなくてビニールをかぶる医師、人工呼吸器を共有する患者、恐怖に泣き叫ぶ医療スタッフと市民の悲惨な光景は世界の人々に、米国への見方を変えさせた。死者が24万人に及びかねないという暗鬱な見通しに「虚妄の死の地」という極端な表現も登場した。