【コラム】新型肺炎が気付かせてくれた2つの不都合な真実=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.25 12:05
世界が韓国の卓越した新型肺炎診断能力に驚いている。だがここには悲しい話がある。20年以上にわたりバイオベンチャーにとって韓国市場は不毛の地だった。あらゆる委員会に布陣した民主労総、参与連帯、環境団体、宗教原理主義者らが新製品や新サービスの足を引っ張った。バイオベンチャーは生き残るために仕方なく規制が緩い海外市場に目を向けた。中国、東南アジア、日本などに輸出をし、臨床実験も海外で行った。
韓国企業は1月に中国の武漢で新型肺炎が広がるとすぐ診断キット開発に着手した。かなり以前から中国や東南アジアに鋭敏にビジネスアンテナを立ててきたおかげだ。振り返れば民主党は10年以上にわたり民主労総や参与連帯とともにバイオ業界に抵抗してきた。 「医療民営化阻止と無償医療実現に向けた運動本部」と組んで医療機器とバイオ規制緩和に猛烈に反対した。そんなバイオベンチャーが決定的瞬間に文在寅(ムン・ジェイン)政権を救ったのだ。韓国バイオ協会のイ・スンギュ副会長は「のけ者扱いから突然救国の英雄として扱われるので感慨が新ただ」とした。
社内留保金議論も新型肺炎問題を通じて不都合な真実が明らかになった。586運動圏はことあるごとに「財閥の莫大な社内留保金を投資して雇用を増やそう」と圧迫した。2015年に当時野党代表だった文大統領も「大企業の社内留保金を1%減らしただけでも30万件の雇用を作れる」とした。だがいま世界はドル確保に血眼だ。ファンド買い戻しとともに企業の現金不足が大きな原因だ。特にこの十数年間に米国企業は営業利益の大部分を配当や自社株買い入れを通じて株主に回していた。専門経営者の立場では株主の歓心を買わなければならなかったためだ。こうして社内留保金を使い果たした末に新型肺炎問題で経済が発作を起こすとすぐに現金選好現象が起きたのだ。先週末に救済金融を要請したボーイングが代表的だ。