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「防疫網が崩れれば体制に脅威」…新型肺炎感染阻止のため閉鎖した北朝鮮(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.07 11:30
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北朝鮮が新型コロナウイルスに緊張している。「山と川が接する隣邦」と血盟関係を誇示してきた中国で感染が拡大しているうえ、劣悪な北朝鮮の防疫体系がアキレス腱という判断からだ。防疫体系が崩れれば金正恩(キム・ジョンウン)体制に致命的になりかねないという考えも作用した公算が大きい。現実的に北朝鮮が取ることができる唯一の対策は、外部とつながる陸・海・空路を完全に遮断することだ。労働新聞をはじめとする国営メディアは「この危険な伝染病がわが国に絶対に入ってこないよう徹底しなければいけない」として対策を促している。北朝鮮の貿易と人的往来を阻んできた対北朝鮮制裁に反発してきた北朝鮮が、新型コロナウイルスのために自ら障壁を築く「セルフ制裁」をする状況という声が出ている。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩国務委員長の最初の南北首脳会談が開催された2018年4月27日の板門店(パンムンジョム)。両首脳が軍事境界線を挟んで向き合った時、会談場所の南側地域の「平和の家」では北側の警護・儀典要員が慌ただしく動いた。金正恩委員長が署名する芳名録と机・椅子を消毒処理するためだった。霧吹きで消毒薬をかけ、白い布でひじ掛けや背もたれを拭いた。署名用として準備されたペンも消毒した。盗聴装置や爆発物などをチェックする作業よりも消毒に注力する姿は、韓国側の関係者の目を引いた。芳名録に書く時、金正恩委員長は準備されていたペンではなく、妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長から渡された筆記具を使用した。北朝鮮側が金正恩委員長の身辺警護にどれほど神経を尖らせているかが分かる。

 
細菌や化学物質を活用した隠密なテロや危害の可能性に徹底的に対応する姿は、北朝鮮警護チームの重要チェックポイントというのが、対北朝鮮情報関係者の話だ。2017年2月にマレーシアのクアラルンプール国際空港で猛毒のVXガスを使って金正恩委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏を殺害した北朝鮮当局は、誰よりその危険をよく知っている。

最近手に入った北朝鮮内部の文書には、手に皮膚病がある女性支配人を最高指導者の工場現地訪問時に面会者として選抜した幹部が「首領をまともに保衛できない反逆者」として断罪される場面が出ている。2014年にエボラウイルスが広がると、海外訪問をした崔竜海(チェ・ヨンヘ)労働党書記は平壌(ピョンヤン)に入れず、地方にしばらく隔離された。金正恩委員長との接触が禁止されたと、韓国の当局は把握している。

このように感染病問題に敏感に対応してきた北朝鮮としては新型コロナウイルス感染症の拡大は心配になるしかない。事態の深刻性でみると、2002年に中国で発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)や2012年のMERS(中東呼吸器症候群)よりはるかに致命的という点でだ。感染病に脆弱な北朝鮮としては体制の命運がかかるかもしれないという切迫感まで感知される。ユン・ヒョソン平壌市衛生防疫所長は5日、朝鮮中央テレビに出演し「現在、コロナウイルスの遮断をわが国の安全と人民の生命に関連する重大な事業とみて、全国家的に徹底的な対策を求めている」と述べた。内閣保健省と農業省・商業省など中央機関の幹部(主に長官級)が参加する労働党中央非常防疫指揮部が構成され、感染が疑われる患者の検診に毎日およそ3万人が投入されている。平壌被服工場などでは生産ラインをフル稼働し、一日に数万個のマスクを生産している。

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