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【時論】「第2のMERS予防」は文政府の100大国政課題だった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.04 13:33
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新型コロナウイルスが途方もない速度で広がっている。3日0時を基準に1万7205人の感染者が発生し、中国で361人が亡くなった。重症急性呼吸器症候群(SARS)の時の死亡者数を上回っている。世界保健機関(WHO)はこのままだと新型コロナウイルスの大流行(Pandemic)が全世界をさらう可能性があると判断し、先月30日「世界公衆保険緊急事態」を宣言した。

コロナウイルスは脊椎動物の体内に浸透して呼吸器と胃腸管感染を引き起こす。風邪やサーズ・中東呼吸器症候群(MERS)はいずれもコロナウイルス感染病だ。SARSとMERSはコウモリのコロナウイルスが人に浸透して発生した人獣共通の伝染病だ。遺伝子分析研究によると、今回の新型コロナウイルスもコウモリから人に移したとみられる。

 
SARSコロナウイルスとは全体のゲノム(Genome・誘電体)の89%が一致するが、人体侵入を決める部位は一致率が60%と低い。それで今回のウイルスの伝播力と致死率はSARSから得た知識で予断することはできない。

一次的に中国政府の責任が大きい。武漢市がウイルスの震源地とされる海産市場を閉鎖したのは1日だった。しかし、中国メディアが肺炎流行の便りを報じ始めたのは習近平国家主席の指示が出た1月20日以降だ。

人から人への感染が珍しく病院感染もないという初期の主張と違い、地域社会への拡散と無症状感染も発生するという報道が一歩遅れて出始めた。このような発表がどのような科学的なデータに基づいたのか定かでなく、感染病専門家が調べ始めた時点にはすでにこのウイルスは全世界に広がった。

発病前にウイルスを伝播した事例が先週、確認された。すべての伝染病防疫の基本原則は症状が現れると直ちに診断し、隔離する早期診断、早期隔離だ。しかし、今回の新型コロナウイルスはこのような防疫の基本を根底から揺さぶっている。状況を直視した米国政府は公衆衛生上の緊急事態を宣言して「中国旅行客14日間隔離」いう極端の処方も打ち出した。

状況が急変しているにもかかわらず、韓国政府は過去の防疫戦略をそのまま踏襲しながら、MERS事態の失敗を繰り返している。防疫網が細かくなく、広くないために発病した患者を隔離するのに5日もかかって患者が地域社会を歩き回りながらウイルスをまき散らして二次、三次感染が発生してしまった。国民を安心させようと「まだ地域社会への感染でない」という当局の発表は「MERSはラクダ風邪」といった危機疎通の失敗を再演したわけだ。

第2のMERS事態の予防は文在寅(ムン・ジェイン)政府の100大国政課題だ。しかし、国家防疫の指令塔である疾病管理本部のセンター長は感染病の非専門家である行政職公務員たちで補充された。感染病やワクチン専門家が担当すべき予防接種分野の職責も同じだ。新型ウイルスを研究する国立保健研究院の院長は1年近く空席だ。

新型コロナウイルスの遺伝子データ、患者症例や疫学情報が毎日のようにあふれた緊迫した過去一カ月。残念なことにも国家防疫システムはこのような情報を収集して分析し、根拠基盤の防疫対策を立てる能力が不足している。

韓国政府がウイルスの震源地とされる中国湖北省を訪問した外国人の入国を4日0時から禁止することに決めたのは手遅れたが幸いだ。だが、春節連休と冬休みが終わって次から次へと帰ってくる中国人留学生に対する対策も急がなければならない。

感染病の衝撃は感染力と致死率が決める。患者を見てきた医師の経験で見て今回の肺炎の致死率がとても高いことから懸念される。今後2週間程度が過ぎれば地域社会への拡散と致死率をさらに正確に把握することができるだろう。今から防疫の大きな絵を改めて描く必要がある。

オ・ミョンドン/ソウル大学医科大学教授/WHO感染病危険管理諮問委員

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