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韓経:右往左往の韓国政府、5年前のMERSのときと何も変わっていない(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.30 09:17
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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政府が新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎)の防疫対策、海外同胞隔離問題などをめぐって右往左往しながら国民の不信と社会の葛藤を深めていると批判の声が高まっている。世論に振り回されて事態をさらに悪化させている。2015年中東呼吸器症候群(MERS)が発生したとき、事態悪化の主要原因に挙げられた政府の誤った対応が繰り返されているとの指摘だ。

韓国政府は新型コロナウイルス感染症の震源地である中国湖北省武漢に居住する海外同胞約700人をチャーター便で韓国に移送し、忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)の警察人材開発院と忠清北道鎮川(チュンチョンブクド・ジンチョン)国家公務員人材開発院に隔離収容すると29日、発表した。前日、忠清南道天安(チョナン)を隔離場所に決めて発表しようとしたが、住民の反発を受けて一日で収容先を変更した。

 
政府の決定が伝えられると該当地域の住民は強く反発した。牙山住民はこの日、警察人材開発院に集結してトラクターや耕うん機、フォークリフトなどを動員して周辺の道路を封鎖して「武漢海外同胞は受け入れられない」として反対集会を開いた。

政府の慎重さに欠ける対応はMERS事態の時と似ていた。朴槿恵(パク・クネ)政府は最初の患者が発生してから20日以上にもわたって患者が訪問した病院の名前を公開しなかったが、その後遅れて情報を発表して混乱を大きくした。当時、韓国内では186人が感染して38人が亡くなった。新型コロナウイルス感染者をめぐり嫌悪世論が広がる様子もMERS事態のときとそっくりだ。当時、感染の事実を知らないまま多くの場所を行き来した患者は非難の的となった。

韓国政府は30日から2日間、300人乗りのチャーター機4機を動員して武漢の海外同胞700人余りを帰国させることにした。チャーター機第1便は30日午前10時に仁川(インチョン)空港を出発して同日午後7時に金浦(キンポ)空港に到着する。

「37.5度以上の発熱、嘔吐、せき、咽喉痛、呼吸困難など、感染が疑われる者は(韓国行きの飛行機に)搭乗できない」(28日、外交部関係者)

「有症状者(新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状がある武漢海外同胞)を韓国に移送する計画」〔29日午前、朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官〕

「まず無症状者だけを移送する。今後(有症状者の移送のために)中国当局と協議する」〔29日午後、金剛立(キム・ガンリプ)福祉部次官〕

武漢に住む韓国海外同胞の帰国措置法案をめぐり、一日のうちに政府の公式立場は二転三転した。29日午前、朴長官の発言があった後、福祉部と外交部はそのわずか9時間後、「有症状者の移送に対して中国政府と協議中」と言葉を変えた。2015年MERS事態を経験した後、感染病に備えるシステムはかなり整備されたが、右往左往する政府の対処ぶりは変わっていないとの批判が出ている。

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