【中央時評】今が南北経済協力を始める時なのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.29 15:04
米朝間の非核化交渉が膠着状態に陥ると、韓国社会の一部では今からでも南北経済協力を始めるべきだという声が出ている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も今年の新年の辞で経済協力に言及し、政府も個別観光を推進するという考えを明らかにした。この背景には次のような状況判断があるようだ。まず、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の非核化意志はまだ確実だが、機会を逃せば失敗する。2つ目、非核化交渉の難関は北朝鮮よりも米国だ。米国はまだ北朝鮮が望む非核化条件を満たしていない。3つ目、韓国が経済協力に動き出すことで、米国が交渉に前向きに取り組むよう刺激する必要がある。
1つ目と2つ目は過去2年間に観察された事実とは合わない。2019年の海外メディアの書面インタビューで、文大統領は金正恩委員長が経済発展のために核を放棄する意志を表したと明らかにした。では、ハノイ会談や実務交渉で表れた北朝鮮の戦略は、そして完全な非核化という言葉とは距離があったと金正恩委員長の行動はどう説明できるのだろうか。交渉膠着が米国のためという主張も実際とは違う。米朝はシンガポール首脳会談で韓半島平和体制の構築に努力することで合意した。これは北朝鮮が完全な非核化をすれば米朝修交が実現する可能性があり、その結果、経済開発の機会も開かれる可能性があることを示唆する。また、米国は実際、非核化も段階的・同時的に進めることが可能だと北朝鮮に提案したという。このように見ると、交渉の進展を妨げているのは米国でなくむしろ北朝鮮だ。