<Mr.ミリタリー>世界の安保はさらに複雑化するのに韓国は孤立無援の状態に(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.03 10:56
2020年世界はさらに複雑に揺れ動くものとみられる。同時に韓半島(朝鮮半島)にも大きな困難が近づく可能性が大きい。昨年貿易紛争から火がついた米国と中国の競争は序幕といえる。イスラム国(ISIS)の撃退によって安定するかのように見えた中東は分派と民族間泥仕合と合従連衡の様相を呈している。米国はトランプ大統領の「米国優先主義」で国際的指導力を失っている。彼のアジア重視戦略は中東の複雑な様相に足を引っ張られている。米朝非核化交渉は限界点に達している。対北制裁で厳しくなった北朝鮮経済に金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長は不満を抱いている。彼は「正面突破戦」を宣言したが、回されるツケのせいで行動だけは自制している。国立外交院と韓国国防研究院(KIDA)などの分析を総合して今年国際安保情勢を展望してみたい。
1990年代脱冷戦以降構築された国際秩序は最近急激に複雑化している。今年さらに加速化する見通しだ。韓半島(朝鮮半島)の安保と北核解決にも直接影響を与える。このような傾向は世界のリーダーだった米国が腹を立てたことに触発された。トランプ大統領は最初から「米国優先主義」を前面に出して友邦と非友邦を問わずに貶した。彼は「米国が全世界を助けるのに多くの金を使っている」「米国の同盟が敵より米国をさらに利用している」と主張した。また、同盟国に防衛費分担金の引き上げを求め、条約の破棄もはばからない。
米国のリーダーシップ拒否とともに欧州も軍事力の縮小で安保の影響力が大幅に減った。反対に、第2次世界大戦以来誕生した巨大な新興国である中国は2049年には米国に匹敵する超一流軍隊を作るという。一方では、米国の同盟であるトルコが異なる声をあげて勢力を拡張している。ソ連解体以降復興を狙うロシアは東アジアを虎視耽々と狙っている。米国が中東とアフリカから手を引こうとすると、その空いた空間をロシアやトルコ、イランなどが埋める態勢だ。民族主義と宗教を前面に出したフーシ反乱軍とヒスボラ、ISISなどによるテロと戦争も拡大の一途をたどっている。