【社説】米朝の対立が尋常でないが、韓国政府は見えない
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2019.12.07 12:29
今月31日は米国と北朝鮮が定めた「ビッグディール」のデッドラインだ。ところが、20日余りしか残っていない「真実の瞬間(moment of truth)」を控えて双方が激しい言葉を交わす状況であり、強く懸念される。トランプ米大統領は3日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を「ロケットマン」と呼び、「我々が武力を使用する必要があるのならそうする」と述べた。北朝鮮が今年に入って13回も放射砲・ミサイルを発射しながらも「金正恩を愛している」と話したきたトランプ大統領が、「炎と怒り」のような言葉で北朝鮮への軍事行動の可能性を見せた2年前に戻った点に注目せざるをえない。
北朝鮮は強く反発した。崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は5日、「(米国が)また対決の雰囲気を増幅させる発言をすれば、年寄りの亡霊がまた始まったものと診断する」と非難した。これに先立ち朴正天(パク・ジョンチョン)人民軍総参謀長も4日、「武力には武力で正面から対応する」という談話を出した。金正恩委員長本人も人民軍首脳部とともに白馬に乗って白頭山(ペクドゥサン)を訪れた。危機を迎えるたびに「重大決心」のため白頭山を訪れてきた金正恩委員長は、故金日成(キム・イルソン)主席の抗日パルチザン活動をまねて焚き火に手をかざす姿まで演出した。今月下旬に労働党中央委員会全員会議を開くとも明らかにした。米国に対する「決死抗戦」意志を国内外に誇示する姿だ。