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【取材日記】トランプ大統領の言葉通りにはならない? 安易な政府=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.01 08:24
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切実に望めば、本当にかなうだろうか。米国の貿易戦争の歩みに対する韓国政府の姿勢を見て思った考えだ。

トランプ米大統領は最近韓国をはじめとする11カ国を狙い「世界貿易機関(WTO)の開発途上国優待の恩恵を受けられないようにしなければならない」と警告した。彼はブルネイ、香港、クウェート、マカオ、カタール、シンガポール、アラブ首長国連邦、メキシコ、韓国、トルコの国名を羅列し、最後に「中国が最も劇的な事例」とした。トランプ大統領が狙ったターゲットの優先順位は彼が話した順序の逆順・韓国は中国、トルコに次いで3番目だ。

 
韓国が受けている農産物関税優遇に影響を及ぼしかねないという懸念が出ると韓国政府はすぐに鎮火に乗り出した。農林畜産食品部は「関税縮小除外は10年以上国際議論が中断されており実現の可能性は低い。関税率は米国と両者間で変えることはできず、WTO加盟国間のコンセンサスを経なければならない」と主張した。要約すれば「トランプ大統領の言葉通りになるわけがない」という釈明だ。だが冷静な分析というよりは切実な希望に近く聞こえた。

韓国政府としては「悲観論」に基づいた懸念が過度だと判断できる。だが悲観論がとんでもない主張ではないとの専門家の指摘は多い。ソウル大学農経済学科のキム・ワンベ教授は「政府が(貿易戦争という)国際情勢の流れを把握できておらず、純真に対処して農産物通商紛争問題が大きくなりかねない」と話した。対外政策研究院のソ・ジンギョ選任研究委員は「WTOで開発途上国地位問題を取り上げる場合、韓国を開発途上国と判断する可能性は低い。韓国に及ばない開発途上国も地位を放棄するのに『1人だけ開発途上国』で残りにくい」と懸念する。

トランプ大統領の脅し文句に対応する開発途上国の動きを見てみた。南米を代表する開発途上国のブラジルはボルソナロ大統領とトランプ大統領が昨年3月に行った首脳会談を契機にトップダウン式のビッグディールに成功したケースだ。ブラジルはWTOの開発途上国の地位を放棄する代わりに長期にわたる念願である経済協力開発機構(OECD)加盟に対するトランプ大統領の支持を引き出した。

台湾は最初からひれ伏した。昨年10月に率先して開発途上国の地位をあきらめた。台湾経済部の王美花次官は「台湾の決定が模範になるよう望む」と説明した。ソ・ジンギョ委員は「(開発途上国に残ることを望む)中国と違いを強調して国際的な位置づけを高めるための戦略」と分析した。結局両国はトランプ大統領のツイートが狙った開発途上国11カ国から抜けた。

この2カ国が正しいというのではない。トランプ大統領の脅し文句に「無反応」の代わりにどうにか生き残るためにそれぞれで生き残りを模索する戦略を選んだということが重要だ。さらに中国まで開発途上国の地位維持と関連し「WTOでわが国の経済発展水準と能力に見合う義務を喜んで尽くしたい」として融和策を差し出した状況だ。

さらに相手はトランプ大統領だ。貿易戦争の飛び火がどこに跳ねるか予断できない。自由貿易の原則を無視して争う米中貿易戦争が代表的だ。肯定的期待が良い影響を及ぼすというピグマリオン効果を信じて対応するには適切でない相手という話だ。

トランプ大統領の発言の実現可能性が1%にすぎなくても韓国政府は「最悪の可能性にも水も漏らさず備える」という姿勢で臨まなければならない。「問題ない」としてピグマリオン効果ばかり繰り返し話す政府にいま必要なことは「居安思危(安らかな時に危機を考える)」の姿勢でないだろうか。

キム・ギファン/経済政策チーム記者

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