小説『直指』の金辰明氏「韓国の文化的アイデンティティを探したかった」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.27 11:06
「直指を通じて韓国の文化的アイデンティティを探したかった」。
最近新しい長編小説『直指』(全2巻)を出した作家の金辰明(キム・ジンミョン)氏は執筆の意図をこのように明らかにした。23日、ソウル西小門(ソソムン)の中央日報で会った金辰明氏は「直指心体要節(以下、直指)をはじめ、ハングル、八万大蔵経、半導体のようなものは知識と情報を記録して伝播する装置だが、我々が世界的に先を進んでいる」とし「こうした韓国の文化的アイデンティティを探すために小説を書いた」と説明した。
小説は、世界で最も古い金属活字本として公認された「直指」とグーテンベルクの金属活字をめぐる中世のミステリーを追跡する内容だ。1377年に印刷された「直指」は高麗末の僧侶・白雲が禅仏教で伝えられるいくつかの話を集めて制作した書籍で、1455年に印刷された西洋最初の金属活字印刷本であるグーテンベルクの四十二行聖書より78年も早い。小説はグーテンベルクの金属活字が欧州の発明品でなく直指の影響を受けて作られたという事実を明らかにする過程を興味深く扱っている。