【コラム】米国のインド太平洋戦略と韓国の新南方外交…接点見つけなくては(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.10 11:54
問題は米国と中国の間にある韓国の戦略と立場だ。果たしてインド太平洋戦略への参加は韓国の国益に致命的損失だろうか。トランプ政権の決然とした意志にもかかわらず、韓国政府は中国との衝突を懸念した末に積極的に支持したり参加することをためらってきた。国際政治学の同盟理論のうち、巻き込まれ(entrapment)と見捨てられ(abandonement)という概念がある。文在寅政権は米国が韓国を見捨てる可能性より米国と中国の激突に韓国が巻き込まれる可能性に大きな恐れを感じているようだ。しかしその結果が及ぼす影響は深刻だ。米国と日本に現れている新アチソンラインの主張が次第に普遍化しているためだ。これは米中間の軍事的激突を避けるために韓半島(朝鮮半島)の外に米国の防衛線を後退させることも考慮できるという主張だ。韓国の対中傾斜論もこの主張に力を加える要因だ。
韓国のためらう態度は高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の時のような中国の報復を懸念するのはある面では理解できることだ。だが同盟のビジョンと未来戦略を開拓するという次元から韓国の役割と地位の転落をこのまま放置してはいけない。