【社説】「景気下方リスク」認めた青瓦台…責任はなく財政拡大で解決?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.10 10:34
韓国政府が公式的に「下半期の下方リスク」に言及した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の尹ジョン源(ユン・ジョンウォン)経済首席秘書官のブリーフィングでだ。尹首席秘書官は現状況について「米中通商摩擦が拡大して製造業と貿易が大きく委縮し、雇用環境も不確実性がある」と評価した。しかしそこまでだった。尹首席秘書官は「4月に赤字になった経常収支が外国人の配当送金減少で近く黒字に戻るだろう」という見方を示し「青年就業者と大統領が強調する新産業の輸出も速いペースで増加している」と述べた。そして「成長活力を回復させるためには補正予算案の迅速な処理が求められる」と主張した。経済指標が最悪になった点の反省ではなく、現政権の経済政策に対するお世辞ばかり並べ、あたかも補正予算が景気回復の「解答」であるかのように注文したのだ。特に6日の韓国銀行(韓銀)の基準年度変更で国家債務比率が35.9%に低下したことを挙げ、「環境変化に対応できる政策の幅が広がった」と語った。国家債務比率の低下を財政支出拡大の便利な道具として使うということだ。
韓銀の基準年度の変更で国家債務比率をめぐる議論がうやむやになったのは事実だ。「国家債務は絶対に国内総生産(GDP)の40%を超えてはいけない」という声を出す場も減った。実際、これまでの国家債務比率論争は消耗的だった。40%を超えてもかまわないというという政府・与党、超えてはいけないという野党ともに明確な根拠はなかった。ただ、財政支出を拡大するという側とこれを阻止する側の古くからの政治論争にすぎなかった。