【コラム】国民は馬鹿でない=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.04 13:42
中央日報で主筆と社長・発行人・編集長を務めた権寧彬(クォン・ヨンビン)元韓国文化芸術委員会委員長が喜寿を迎えて本を出した。『私の人生、私の現代史』というコラム集だ。自身の人生経歴を韓国現代史と結びつけて、これまでのコラムを解説しながら5つの章に整理した。その中の第3章「二つの暴力」は、全斗煥(チョン・ドゥファン)独裁時代に体験した言論弾圧の素顔を扱っている。
「部屋に入るやいなや彼は私の頬を力いっぱい殴った。『お前は赤ではないのか』と言いながら書類を投げつけ、逃走の経路を言えと怒鳴りつけた」。警察に追われた自由言論守護闘争委員会所属の人を家にしばらく滞在させたのが問題になり、南営洞(ナミョンドン)対共分室に連れて行かれたが、その時に見たのが朴鍾哲(パク・ジョンチョル)拷問致死事件で有名になったイ・グンアン警監だったという。「ためらっていると片方の肩をパンと叩いた。すると腕と肩が分離して揺れた。また肩をパンと叩くと元に戻った」。技術者の卓越した技量に驚くしかなかったと回顧する。