外国人投資会社の経営者が３月２８日に文在寅（ムン・ジェイン）大統領に会った。就任後初めてであり、格別な日だった。文大統領は懇談会で外国人投資会社の韓国投資を積極的に誘致し、革新成長と平和経済、雇用創出を促進すると明らかにして期待感を高めた。外国人投資会社の経営者は韓国経済のプラスの部分に言及した。同時に各種の建議事項も議論し、緊張感もあった。

懇談会で記憶に残る３つの点がある。それは規制のサンドボックス制度を積極的に活用し、ネガティブ規制に転換、労働柔軟性を高められるよう支援するというものだ。規制のサンドボックスは、新しい製品やサービスが登場する場合、一定期間は従来の規制を免除、猶予する制度をいう。文大統領は３つの建議事項をはじめ、不必要な規制を果敢に廃止し、投資インセンティブを強化すると約束した。これを通じて外国人投資会社が良質の雇用を創出し、地域経済を活性化してほしいと呼びかけた。特に文大統領は「我々は同じ船に乗った共同運命体」とし「外国人投資会社も韓国企業だ」と激励した。韓国進出米国企業のかけ橋の役割をする在韓米国商工会議所を含む外国人投資会社にはこの言葉が大きな励みになった。

洪楠基（ホン・ナムギ）経済副首相兼企画財政部長官は今年の韓国の経済政策方向と経済活力を高めるための革新成長対策を発表した。洪副首相は「韓国政府は今年、韓国経済の躍動性と包容性を最大化する」とし「また韓国経済とともに外国人投資会社が成長していくようにする」と約束した。外国人投資会社が普段から抱いていた韓国の経済政策に対する不安感を解消し、共感を形成した。これに先立ち洪副首相は規制のサンドボックス適用事例を今年１００件まで増やすと公言した。雇用を創出して経済を活性化するうえで企業の役割が最も重要だという韓国政府の考えが込められているとみる。

実際、韓国の企業環境は大きく変わった。世界銀行が発表した２０１８年の企業環境評価で韓国は１９０カ国のうち５位になった。米国（８位）・英国（９位）よりも高い順位だ。外国人投資会社は韓国政府が規制改革に関する約束をよく守れば、韓国の革新成長にも大きな役割をすると期待している。

在韓米国商工会議所は韓国政府指導者に会って聞いた内容を前向きな形で米国政府に伝えた。もちろん韓国政府が外国人投資会社に多くの支援をすると約束したことも含まれる。韓国産業界が最も懸念している「通商拡大法２３２条（スーパー２３２条）」についても適用しないでほしいと要請した。

外国人投資会社は革新を通じた経済成長促進と雇用創出に注力する計画だ。在韓米国商工会議所の使節団は最近、米国を訪問し、米国産業界および政界関係者に会い、韓国に対する投資を強調した。在韓米国商工会議所の会員会社代表からなる「ドアノック（Ｄｏｏｒ　ｋｎｏｃｋ）使節団」は８－１１日に米ワシントンを訪問した。ホワイトハウスと政府・議会の官僚に会い、在韓米国商工会議所と協力を強化することにした。毎年４月に例年の行事として開かれるが、今回の訪問は文大統領とトランプ米大統領の首脳会談時期と重なり、さらに意味深いものとなった。

在韓米国商工会議所は米国政府と議会関係者に対し、文大統領の新しい規制緩和約束と、韓国が貿易不均衡を改善して米国の投資家および中小企業に韓国市場を開放するために相当な努力をしていると伝えた。在韓米国商工会議所は韓国政府が革新的な成長戦略を促進する規制のサンドボックスの施行および規制環境の調整の約束を守ると確信している。そして韓国政府の政策施行において信頼できるパートナーになることを望む。また、海外企業との持続的な接触がさらに増えることを期待する。

ジェフリー・ジョーンズ会長／駐韓米国商工会議所