【時視各角】トランプ大統領の「瀬戸際戦術」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.19 09:38
非核化交渉をやめる可能性があるという北朝鮮側の発表は本心だろうか、それとも脅しだろうか。過程を見ると「瀬戸際戦術」を念頭に置いた、間違いなく「ブラッフィング(誇張)」だ。韓国では報道されていないが、今回の発表はハノイ首脳会談の結果を伝えてほしいというルーマニア大使館の要請に崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が応じた構図になっている。ここに各国大使と外国特派員が招請されたが、統制は厳しかった。大使だけが質問を許された。交渉中断カードは自ら明らかにしたのではないという形の中で望む話ばかりが出てくるように作られたイベントだったということだ。北朝鮮メディアの異例の反応もブラッフィング説を後押しした。普段なら発表後に直ちに競って宣伝したはずだが、今回は一斉に沈黙した。北朝鮮が協議に入っても内部的に体面を保てるようにしたのだ。
このように米朝間の駆け引きが激しいが、韓国政府は対話の火種は残っていると主張する。双方に交渉の意志があるという論理だ。外見上そうかもしれないが、冷え込んだ雰囲気で平和的な非核化はよりいっそう難しくなった。まず中身のある交渉が全くなかったという点が大きな問題だ。ビーガン北朝鮮担当特別代表は11日、基本概念にさえも合意しない現状況を嘆いた。ビーガン特別代表は「北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)核施設を廃棄するというが、適用の対象が何かも決まっていなかった」と述べた。寧辺にはプルトニウム生産およびウラン濃縮施設をはじめとする390余りの建物がある。したがってどこまでを寧辺と見るのかを決めずに交渉がうまくいくはずがない。