【コラム】韓国と日本、その永遠の平行線(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.01.08 08:17
「縮み指向」をキーワードに日本人の特性を明快に分析したのが韓国の李御寧(イ・オリョン)先生だ。日本には「道徳指向」をキーワードに韓国人の特性を暴いた学者がいる。京都大学の小倉紀蔵教授だ。ここまでやるかと思うほど「正しい・正しくない」を追求する韓国人の道徳指向的心理構造を理解しないことには、韓国人と韓国社会を本当に把握し説明することができないというのが彼の主張だ。
東京大学ドイツ文学科出身の小倉教授は1980年代末に韓国に留学してソウル大学哲学科で8年間学んだ。彼にとって韓国はこれ以上なく奥深く、不思議な世界だった。彼は韓国的な精神世界の裏面を明らかにしてしようという情熱に捕われ、眠れない夜を数え切れないほど送った。その結実が98年に日本で出版された『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』という本だ。遅ればせながら韓国では約1年前に翻訳・出版された。一撃で韓国を「アウト」させ、韓国に関してはこれ以上の説明が必要のない本を書いてやる、という決起の所産だ。
本の題名そのまま、彼は韓国を「一個の哲学」と規定する。その哲学は道徳哲学で、正確には儒教哲学だ。さらに具体的には朱子性理学だ。朝鮮王朝が滅びてすでに100年以上経った今も、韓国人の精神世界を支配しているのは朱子性理学というただ一つの哲学だと小倉教授は言う。道徳を指向することと道徳的であることはもちろん違う。人々の言葉と行動をひたすら道徳(最近の言葉では正義)というものさしで裁き、徹底して優劣をつける道徳還元主義が彼の言う韓国人の道徳指向性だ。