「対米交渉、私に任せてほしい」 北朝鮮の金英哲氏、米国に秘密請託(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.26 10:53
崔竜海氏のこのような動きをめぐり、一年前に起きた「黄炳瑞(ファン・ビョンソ)粛清」の再演という指摘もある。2017年10月の労働党7期2次全員会議で最高の要職である組織指導部長に就任した崔竜海副委員長は、軍部の核心である総政治局を検閲して黄炳瑞総政治局長と金元弘(キム・ウォンホン)元国家保衛相を没落させた。総政治局幹部が専横を繰り返し、「党籍統制」(労働党の指導)の無視や虚偽報告をしていたという不正事実を金正恩氏に直接報告し、一日で撤職(解任)させたり「革命化」のために協同農場に派遣したりする措置を取ったのだ。金正恩政権の序盤期である2012年4月に総政治局長に任命されてナンバー2としての足場を固めつつあった崔竜海氏の職位を2014年奪った黄炳瑞氏に報復を加えた構図という話もあった。
一部では崔竜海氏の組織指導部が「腐敗との戦争」を前面に出して金英哲氏をはじめとする政敵を除去する動きに出るのではないかともみている。今月10日付の労働新聞は「不正腐敗は利敵行為」という極端な表現を使ってまで厳しい不正清算を予告した。新聞は「イルクン(幹部を称する)の中に利己主義と公明心、安易解弛された思想観点が現れている」と批判した。世界北韓研究センターの安燦一(アン・チャンイル)所長は「金英哲氏を標的にした検閲ではないということを強調するために、他の不正事例を大量に摘発する様相を見せるだろう」と話した。北朝鮮は昨年の黄炳瑞粛清の時も、金正恩氏関連の紙面が不十分だったという理由で労働新聞幹部を粛清し、平壌高射砲部隊政治部長を腐敗容疑で処刑したと韓国情報当局は明らかにした。