北朝鮮が償還していない3兆5000億ウォン…南北経済協力の障害に(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.19 10:43
文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って3回目となる南北首脳会談が平壌(ピョンヤン)で開催されている。北核廃棄を目標にした「完全な非核化」など今年4月の板門店(パンムンジョム)南北首脳会談での合意の履行に焦点が合わされる雰囲気だ。目を引くのは韓国の財界人17人が含まれている点だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府は「経済が平和」という趣旨で説明する。特に南北間の鉄道・道路連結に向けた対北朝鮮インフラ(SOC)支援性格の大規模な投資が避けられないという点を強調している。ところが国連の対北朝鮮制裁のほかにも伏兵が存在する。北朝鮮が返していない鉄道・道路建設資材など3兆5000億ウォン(約3500億円)規模の対北朝鮮借款だ。この問題をうやむやにしてさらに大規模な追加投資を強行すれば、国民の血税をむやみに与えているという批判が強まる。
信用は現代社会で最も重視される点の一つだ。個人はもちろん国の間や国際取引でも変わらない。ところが南北関係ではこうした常識が通用しない。2000年6月に金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記の最初の南北首脳会談から計5回の南北首脳会談が開催されたが、事情は特に良くなっていないようだ。それは北朝鮮の約束不履行問題だ。対南挑発や核・ミサイル開発をしないという合意を破ることは今も続いている。国際社会が規律している借款の基本秩序まで踏みにじる行為がすでに6年間も続いている。
北朝鮮がこうした態度を見せ始めたのは李明博(イ・ミョンバク)政権末期の2012年3月ごろだ。2007年から2年間にわたり北朝鮮に借款(5年から10年償還)形態で支援した軽工業原材料代金8000万ドル(約914億ウォン、以下、当時の為替レート基準)を返す時期を迎えたが、いかなる措置も取らなかった。北朝鮮から服・履き物・石けんの生産に必要な原料を提供してほしいという要請を受けて提供した物品だ。このうち3%の240万ドルを亜鉛1005トンで現物償還したが、7760万ドル(887億ウォン)は残っている状態だ。