「剣道の精神は相手を尊重…侍の精神とは違う」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.13 11:18
1973年に米ロサンゼルスで開催された第2回世界剣道選手権大会の準決勝。韓国代表として出場した34歳の青年イ・ジョンニムは日本選手と対戦し、惜しくも敗れた。終了直前に相手の手首を正確に打撃したが、日本人審判はむしろやや遅れて頭を打撃した日本選手のポイントを認めた。判定をめぐり競技は5分近く中断し、審判を非難する観客のブーイングもあったが、結局、判定は覆らなかった。
韓国剣道史上初めて世界選手権でメダルを獲得(銅メダル)した歴史的な瞬間だったが、イ・ジョンニムに笑顔はなかった。この時「公正に実力で勝負を決めるシステムを必ず自分の手で作ろう」と考えた。
45年が過ぎた2018年。当時の青年は80歳を迎える白髪の老紳士になった。肩書は大韓剣道会長兼国際剣道連盟(FIK)副会長。剣道人として「入神の境地」と見なされる範士8段の保持者でもある。