【コラム】金正恩委員長は本当に核を放棄するのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.13 11:38
問題の核心は金正恩委員長が明らかにした非核化だ。金正恩委員長が本当に核を放棄する大決断をしたのかどうかがカギだ。大変な苦労して開発した核を金正恩委員長が素直に放棄するはずがないというのが大多数の人々の判断だ。私も例外ではなかった。ムアマル・カダフィやサダム・フセインの悲劇的な最期を眺めながら、核兵器こそが自身と体制の安全を保障する宝剣だと金正恩は確信したと考えた。しかし今年に入って金正恩委員長が見せている予想外の動きの前でその確信が揺れている。ひょっとすると本当に核を放棄し、積極的な対話攻勢に出てきたのかもしれないという考えが徐々に強まっている。そうでなければどうやって大胆にもトランプ大統領に1対1の対決を提案できるというのか。
もちろん金正恩委員長は世界最強大国の首脳と並んで立つ場面だけで国内的に大きな宣伝効果を得ることができる。しかしそれは副次的な問題だ。重要なのは非核化だ。核問題で首脳会談がいかなる成果もなく終われば、金正恩委員長は対外的に途方もない逆風を受けるしかない。非核化の意志が偽りや企みと判明する瞬間、金正恩委員長はトランプ大統領の「炎と怒り」を避けられないだろう。第2のカダフィとフセインになる覚悟をしなければいけない。金正恩委員長もそれを知らないはずはない。にもかかわらずトランプ大統領に談判を提案したのは、正常な国に進むために核を放棄する戦略的決断をしたためだと見るのが妥当かもしれない。正常な国に進むためには改革・開放が避けられない。それに伴う政治的なリスク負担までもすでにすべて計算して下した決断であることも考えられる。