米朝対話を始めるための事前措置をめぐっても韓米間の温度差が感知される。文在寅（ムン・ジェイン）大統領は２６日に青瓦台で中国の劉延東副首相と会い、「米国は対話のハードルを下げる必要があり、北朝鮮も非核化の意志を見せるべきだ」と述べた。これについて青瓦台高位関係者は２７日、「前提を１００％敷いて行けば会うこと自体が難しい。対話条件で互いに公式に譲歩できる部分があるならば対話がさらに順調ではないかという次元」と話した。

だがトランプ米大統領は２６日、「北朝鮮が対話を望んでいるがわれわれはただ適切な条件の下だけで対話することを望む。そうでなければ対話しないだろう」として既存の立場を再確認した。米国政府内で北朝鮮との対話に最も積極的だったジョセフ・ユン国務省対北朝鮮政策特別代表が退任するのも尋常ではないという観測が外交街では出ている。

◇北の「対話」は非核化ではなく核軍縮

専門家らは政府が目標に立てた南北対話と米朝対話の好循環を達成するには韓米同盟間の誤解や不信から除去しなければならないと強調した。高麗（コリョ）大学国際大学院のキム・ソンハン院長は「南北米の三角形を支える底辺は韓米同盟でなくてはならず、同盟が固く維持されてこそ南北関係改善も恒久的になる。南北関係を制裁や圧力が適用されない治外法権地域のように考えるのは困るし、北朝鮮の核が韓国に向けられることもあるという脅威認識の下にオーナーシップを持たなければならない」と話した。

世宗（セジョン）研究所のウ・ジョンヨプ研究委員は「米国が北朝鮮の対話用意を制裁による苦痛の結果とみるならば圧力をさらに加えて北朝鮮を非核化対話に引き出そうと判断するだろうし、韓国とアプローチ方法に差が生じかねない。韓国政府は北朝鮮が非核化対話に出てくる可能性がどれだけになるのか冷徹に判断し今後数カ月間の政策を執行しなければならない」と指摘した。

非核化の核心要素であるインセンティブをほとんど米国が握っているという点も考慮しなければならない。いまからどの段階でどんなインセンティブを北朝鮮に提供し非核化へ牽引できるか韓米間で緊密な協議されなければならない。梨花（イファ）女子大学国際学部のパク・インフィ教授は「現在の対話モメンタムが続くにはとても精巧なロードマップとプロセスが準備されなければならない。各段階で北朝鮮と米国が離脱しないようにするには米国と強固な協力を基盤に枠組みを作らなければならない」と話す。

◇対北朝鮮特使より対米特使がさらに急がれる

韓国政府は平昌の動力を続けて行くために高位級対北朝鮮特使団を派遣する案を積極的に検討中だ。だがそれに先立ち対米特使派遣などの積極的方式で米国を対象にした説得作業から進めなければならないという声が出ている。キム・ソンハン院長は「韓国政府を代表する要人や政府に身を置いていなくても韓米同盟を象徴的に代弁できる要人１～２人を特使団として送り韓国の構想を説明する必要がある。米国と相当部分これを共有するという前提から作っておいて北朝鮮に特使を送らなければならないだろう」と強調した。


ポスト平昌の核心は韓米同盟…「誤解と不信解くのが最優先」（１）