金正恩委員長の「歌爆弾」…五輪の祝典を揺るがす(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.17 14:53
芸術団の派遣を前に出した北朝鮮の対南攻勢が激しくなる勢いだ。平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)に代表団を送るという金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は選手の構成よりも管弦楽団の派遣に大きな関心を見せている。南北(韓国・北朝鮮)が一昨日の当局者協議で最初に合意したのが、140人の北側歌手・演奏者がソウル・江陵(カンヌン)で公演する件だった。五輪が国際スポーツ行事という点を考慮すればまさに本末転倒だ。金正恩委員長がこのように特に力を注ぐ理由は何か。北朝鮮の内部事情と金正恩委員長の「音楽政治」の内幕をのぞいてみよう。
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は生前、電子音楽団に大きな関心を見せた。1985年に普天堡電子楽団を設立し、当時はダブーだった日本・西側楽器までもプレゼントした。6年後には日本巡回公演にまで送った。事実上の夫人のコ・ヨンヒ氏(金正恩委員長の生母)が女優をしていた万寿台芸術団楽団を変えたのだ。この楽団の歌手チョン・ヘヨン氏は韓国でも一時流行した歌謡「フィパラム(口笛)」をヒットさせ、爆発的な人気を呼んだ。偶像化と体制称賛、洗脳に音楽が決定的な役割をすると看破した金正日総書記が全幅的な支援をしたからだ。金正日総書記は「音楽が時には数千、数万の銃砲の代わりをし、数百、数千万トンの食糧の代わりをした」と述べたりもした。