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米国は金利上げたのに…ウォン3カ月間で8%急騰

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.04 09:00
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米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年末に点図表を通じ今年基準金利を3回ほど上げる可能性があるとの考えを市場に伝えた。FOMCはすでに昨年基準金利を3回上げている。FOMCが基準金利を上げればドルが強くなるというのが定説だ。米国外に投資されたドルが高い金利を追って米国に還流すれば他の国の通貨価値が落ちるためだ。

ところが外国為替市場ではドル下落という異常現象が現れている。2日のニューヨーク外国為替市場で主要国6通貨に対するドルの価値を示すドルインデックス(DXY)は91.93を記録し、5取引日連続で下落して3カ月来の最低水準まで落ちた。ドルインデックスは昨年だけで9.9%下落した。

 
こうしたドル下落傾向でウォン高が目立つ。新年最初の取引日である2日にウォン相場は前取引日より9.3ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1061.2ウォン台まで上昇した。3日には3.3ウォン安の1064.5ウォンで取引を終えたが、ウォン上昇の勢いは粘り強い。

ブルームバーグによるとウォンの価値は昨年10-12月期だけで7.93%上がった。過去1年間のウォンの上昇幅は13.83%で、主要通貨のうちユーロの15.34%に次いで2番目に大きい。

ドル高、すなわちウォン安を予想した市場でウォン高が続く理由は何か。

まず韓国経済の基礎体力(ファンダメンタルズ)に対する期待感だ。昨年と今年の韓国の経済成長率は3%台を上回ると予想される。今年の経常収支黒字も790億ドルで昨年の810億ドルと同水準を記録すると予想される。

韓国経済のリスク要因に挙げられた地政学的リスクも緩和されている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が新年の辞で対話の提案をするなど雰囲気が改善しウォン資産に対する魅力が大きくなっているのだ。

韓国政府と金融当局の消極的な態度もウォン高をあおっている。米国の為替相場操作国指定を意識した上に米国との自由貿易協定(FTA)改定交渉を控えた状況で米国を刺激しかねない市場介入は避けるほかないためだ。

さらに今年の1人当たり国民所得(GNI)3万ドル元年を期待する状況でウォン高はそのスピードを繰り上げられる要因だ。ウォンの価値が上がれば輸入物価が下がる効果もある。内需活性化を試みる韓国政府の立場ではウォン高は悪いばかりではない。

NH投資証券エコノミストのキム・ファン氏は「減税により米国の財政赤字拡大の懸念が大きくなりFOMCの金利引き上げ速度は速くないと予想され、ドル安とウォン高の勢いは当分続くだろう」と話した。

ウォン高が持続すると輸出企業は緊張している。ハナ金融投資のキム・ドゥオン研究員は「今年一時的に1ドル=1000ウォン崩壊が予想されるだけに輸出企業の負担は大きくなるだろう」と話した。韓国貿易協会はウォンが10%上がれば短期的に韓国の製造業の営業利益率は1.3ポイント下落し、ウォンの実質価値が1%上がれば輸出物量が0.12%減ると分析した。

さらに円の上昇幅がウォンの上昇幅に満たず、日本企業と競争する韓国の輸出企業も神経を尖らせている。この1年間に対ドルでウォンの価値が13.83%上がったのに比べ円の価値は4.68%上がるのにとどまった。

反対に留学生の子どもを持つ家庭や個人輸入族にウォン高はうれしい知らせだ。ウォンが高くなり実際の負担が減るためだ。KEBハナ銀行クラブ1PBセンターゴールドPBチーム長のコ・ジェピルは「外国為替送金や旅行など実需要目的ならば1カ月あるいは3カ月など周期的に為替相場を点検し分割して買うのが有利だ。外国為替預金の場合、一般預金・積立金利より低いだけに両替手数料など付帯費用を除いた金利水準を考えて投資しなければならない」と話した。

韓国政府は為替相場変動が激しくなったことを受け3日に急激なウォン高は放置しないという立場を明らかにした。金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官は経済界賀詞交歓会で「為替相場市場の状況を見ている。急激なウォン高には政府が断固として対処するだろう」と話した。

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