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「韓国は日米の信頼を失い、中国は韓国民の心を失った」(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2017.12.18 14:21
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徐教授は韓国政府が戦略的観点からアプローチしたのとは違い、中国は力を土台とした目に見える国益を確保する現実主義的アプローチをしたと分析した。

--中国が得たものは何か。

 
「韓国が不名誉に甘んじながら『強大国・中国』に汲々(きゅうきゅう)としている姿を全世界に、特に米国に見せつけた。『それ見ろ。お前が大好きな韓国が私のところに来ている』と。強大国の政治で相手の貴重なカードの一つを、それも引っ張って奪い取ってくるのは大きな意味があることだ。

--中国はなぜ戦略的にアプローチしなかったのだろうか。

「中国の国内政治の側面があるとみている。習近平が絶対権力を握っていきつつあると言っても対外政策面では確実な業績がない。一帯一路(陸・海上シルクロード)政策などを推進はしているものの、米国・日本はもちろん、周辺国との関係も刺々しい。特に中国は北朝鮮に度重なる屈辱に遭っている。自国民に強大国の自負心と自尊心を持たせるために韓国というイシューを利用したのではないかと思う」

徐教授はそれと共に「文在寅政府が向こう20年、国際社会の大きな流れを読んで対応しようとする姿勢は間違っていないが、現実主義的な力と段階別の緻密(ちみつ)さもなく本音を国際社会にそのままさらけ出している」と批判した。教授は「戦略的目標と現実的外交政策の足並みが揃っていない。一歩一歩渡っていかなくては、激流に巻きこまれてしまうのは必至」としながら「強大国に囲まれた韓国の外交は『ブリッジング・ディプロマシー(BridgingDiplomacy)』でなければならない」と強調した。「橋梁外交・仲介外交という言葉が使割れているが、私は『不動産紹介所外交』とも言っている。家を売買する双方の信頼を得なければならない。言葉に気を付けながら、行動は慎重にして正直でなければならない」

徐教授は「現政権の臨機応変式外交と言動の不一致が国内外にあまりにも知られすぎた」とし「中国が今回の韓国政府の戦略的アプローチを受け入れないのも不信という側面がある」と解釈した。「思い切って言えば、韓国は米国の立場では裏切り者、中国の立場では日和見主義者に映る。このような形なら、決定的瞬間に強大国数カ国が韓国を排除して韓半島を料理する可能性もある」

--北核をどのように解決することができるだろうか。

「このまま行けば北朝鮮の核保有を黙認したり認めざるを得なくなる。核も持ち、強力な在来式武器も持つことになるだろう。『北東アジアのイスラエル』になる。中東におけるイスラエルのように、彼らが何をしてもどの国も何もできない。言いなりにならなければならない。韓国と日本の立場では自らの核武装を話さなければならなくなる。米国も、韓国と日本に対する核武装許容カードで中国を圧迫する、そういうゲームになっていくだろう」

--このオプションすら通じない場合は。

「韓日の核武装と北朝鮮への軍事的オプションを除けば、金正恩(キム・ジョンウン)レジームチェンジをテーブルに上げるだろう。ある日、ある方法で交替させられた北朝鮮の新たな指導者が核をあきらめたり、管理権を米中や国際社会に託したりする状況になるだろう。そうなるようにするには強力な北朝鮮への圧迫が必要だ。米中が協力しなければならない。最近、レックス・ティラーソン米国務長官が中国と急変事態について議論したと明らかにした点に注目しなければならない」

--韓国人記者暴行事件はどのように見るか。

「中国で外国人記者の暴行はよく起きている。英国BBCはもちろん、米国やドイツの記者たちも暴行を受けた。ただし、国賓訪問中にこのような事件が起きたのは次元の違う問題だ。今回の文大統領の中国訪問は、家の主人が忙しそうに外出しなければならないと言っているのに、訪ねてきて『大丈夫、待っているから』というやり方で日程が進められた。中国政府が意図したことではないと考えるが、中国が韓国を無視する全般的な情緒が暴行事件を通じて現れたものとみている。習近平がもてなすゲストなら到底起きるはずのないことだ」

徐教授は「文在寅政府は、市井のごろつきの股をくぐって屈辱に耐えた韓の武将・韓信や丙子胡乱(丙子の乱)の時の朝鮮の学者・崔鳴吉(チェ・ミョンキル)の心情、すなわち少しの屈辱は甘んじても韓半島の戦争を防いで韓半島の平和構築に向けて中国との戦略的協力枠組みを構築していくという考えで今回の会談に臨んだかもしれない」とし「このような情緒を基に誤った外交を継続していくのではないか懸念される」と話した。

「国内政治はこちらの道を進んでいて『こちらの道ではなかった』と思えばいつでも方向転換できるが、外交は試行錯誤ができる余地はない。いつも真剣勝負で臨まなければならないのが外交だ」(中央SUNDAY第562号)

◆徐鎭英=高麗(コリョ)大名誉教授兼社会科学院長。ワシントン州立大博士、韓中専門家共同研究委員会韓国側委員長。著書に『中国革命史』『21世紀中国外交政策:富強な中国と韓半島』など。


「韓国は日米の信頼を失い、中国は韓国民の心を失った」(1)

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