【コラム】習近平の米中体制競争宣言(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.05 16:10
習主席は世界の政党の高位対話演説で「勝者総取り」と「近隣窮乏化」を取り上げて「このようなやり方が国ごとの成長の根そのものを傷つけ、人類全体の未来を亡ぼしている」と批判した。米国を指摘してはいないが、国際的不平等と両極化を助長する米国式ガバナンスに対する叱責も同然だ。今回の行事が米国中心の世界秩序に対する中国の挑戦であり、米国に対する体制競争の公式宣言とみなされている理由だ。習主席は世界の政党の高位対話を制度化し、今後5年間で1万5000人の各国政党関係者を招くという計画も明らかにした。
問題は中国は自国のことで手がいっぱいだという点だ。経済的に米国の水準に達するまでにはまだまだ遠い。不平等と両極化で見れば米国の上を行くことはあっても下に行くことは決してない。その上、中国は急速に「ビッグブラザー社会」化している。人工知能(AI)とビッグデータが2000万台に達する監視カメラと結びついて個人の一挙手一投足を監視している。スーパーコンピュータの性能と数量で、中国は米国を圧倒している。演算能力1~500位のスーパーコンピュータのうち202台を保有している中国は、米国(143台)よりはるかに多い。第4次産業革命の核心動力であるスーパーコンピュータに基づいてAIとロボットが人間の代わりをし始めれば、働き口を失った中国人の怒りがどこへ向かうのか予想できない。そうなればそうなるほど、中国は人民に対する監視を強めていく可能性が高い。