韓中THAAD協議が安保に足かせとなる3つの理由(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.11.03 08:22
◆MDと韓日米同盟への不参加
中国が要求したように韓日米軍事協力ができなければ、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の防御が難しくなる。北朝鮮はすでにSLBMの水中発射に成功し、このミサイルを発射できる2隻目の潜水艦も建造中だ。北朝鮮が我々の見えないところでSLBMを発射すれば防御する方法がない。このためSLBMはゲームチェンジャーとまで呼ばれる。北朝鮮がSLBMを発射するために潜水艦を東海(トンヘ、日本名・日本海)に移動させれば韓日米はまず捜索をする。東海は寒流と暖流が混ざり水深が深く、潜水艦が活動しやすいところだ。水中捜索は容易でない。東海の公海区域で北朝鮮の潜水艦を捜索してみると、韓国・日本の艦艇が絡むこともある。このような点を勘案し、有事の際、両国は東海に区域を設定して軍事的に協力するのが当然だ。必要な場合、北朝鮮潜水艦の捜索に続いて撃破作戦も韓日米3カ国で協力できる。しかし「中国の立場では北の潜水艦に対する韓日米協力作戦を軍事同盟と見なして警戒するだろう」と元国防部関係者は話した。今回の協議は北朝鮮が有事の際に発射する弾道ミサイルに対する迎撃も制限する。北朝鮮のミサイルは韓国と日本、米軍までも狙う。現在、韓日米は北朝鮮のミサイルを探知した情報は共有することになっている。これは昨年11月に締結した韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に基づく。しかし迎撃を効果的にするには3カ国は北朝鮮が撃ったミサイルに分けて対応しなければならない。そのためには3カ国の軍事協力が必須となる。ところが中国は韓日米が協力して北朝鮮ミサイルを迎撃することに反対する。3カ国の軍事協力を事実上の軍事同盟と見なす可能性があるからだ。また、中国は韓日米の北朝鮮弾道ミサイル共同対応作戦を韓国の米MDシステム参加と見なす可能性もあると、この関係者は指摘した。
3カ国間の軍事協力は南シナ海問題でも中国と衝突する。中国が2025年までに軍事的に完全統制するという南シナ海は、韓国と日本の途方もない物流量が通過する公海上だ。にもかかわらず中国は数千年前の縁故を根拠に領有権に固執している。中国がこの海域を軍事的に支配すれば、中東からの原油輸入はもちろん、東南アジア・インド・中東・アフリカ・欧州との輸出入がすべてふさがる。中国が韓国を封じ込めることも可能ということだ。したがって中国が最後まで南シナ海に対する支配権を主張すれば、韓国は米国および日本など利害が絡む他国と連携するしかない。これも今回の協議文に背き、中国の反発を呼ぶ。キム・ヒサン韓国安保問題研究所理事長は「中国が最も恐れるのは韓日米協力と日本の核武装だ」と述べた。