【社説】殺虫剤卵、他国の話でなかったとは=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.16 14:56
韓国の消費者は茫然自失したとしか言いようがない。殺虫剤卵の恐怖は欧州の話ではなかった。我々の食卓を脅かしていた。先月から欧州を衝撃に陥れた卵の殺虫剤成分フィプロニルが韓国の産卵鶏農場の卵から検出されたのだ。別の農家ではビフェントリンという殺虫剤成分が基準値を超過した卵を生産した。欧州発の殺虫剤卵問題が広がる中、農林畜産食品部(農食品部)が1日から全国の産卵鶏農家を対象に一斉に調査している中で見つかったのだ。調査開始から2週間、検査を終えた農家は全体農家1400カ所余りのうち40カ所にすぎない。農食品部はすべての卵の出荷を禁止し、調査を3日以内に終えると発表した。殺虫剤卵はさらに出てくる可能性もある。
この過程で政府はまた信じがたい姿を露出した。7、8月はダニが増え、殺虫剤を使用するのは公然の秘密だった。農食品部も「わが国の産卵鶏は密集飼育するため、畜舎にまいた殺虫剤成分が鶏の体内に吸収され、卵からも検出された」とみている。こうした飼育環境は殺虫剤汚染に脆弱だが、2016年上半期まで卵に対する農薬検査を実施しなかった。農家対象の殺虫剤教育も普通は9月に実施する場合が多く、警戒心もなかったという。
柳永珍(リュ・ヨンジン)食品医薬品安全処長は10日の記者懇談会で「国産の卵と鶏肉は殺虫剤成分が検出されなかったので安心してもよい」と述べた。この言葉は4日も続かなかった。これまで流通してきた卵も殺虫剤成分から安全だったと言えない状況だ。また今回の殺虫剤卵農家は農食品部から「無抗生剤畜産物認証」を受けたところであり、政府の認証制度管理に対する不信感も強まっている。さらに「鶏肉は食べても問題ないのか」という不安感まで消費者の間で広まっている。