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【コラム】文在寅政権Jノミクス、その性急さについて

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.04 13:07
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「一体なぜこのように急ぐのですか。金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相ではないようですが、誰が政策を主導しているのか気になります」。最近、企業家と市場専門家に会うと最も多く言われることだ。文在寅(ムン・ジェイン)政府の誕生を応援して経済政策方向である「Jノミクス」の大きな枠組みに共感している人達も同じことを言う。

Jノミクスが標ぼうする「人と雇用中心」「所得主導」の成長は経済学的妥当性をめぐって問題があるにもかかわらず、拒否するのが難しい大義を抱いている。低成長と所得格差、青年失業など韓国経済の慢性病を治癒しようと思う悩みが込められているためだ。大企業と輸出が主導する成長が限界に達したので何か新しい試みをしようというのは国民的願いだ。

 
しかし、一度も通ったことのない道だ。どんな危険が隠れているか分からない。経済主導者が手を固く握り合い周辺を見回しながら慎重に進まなければならない理由だ。現実はどうなのか。「突撃、前へ」が大半だ。最低賃金・正職員転換・福利・増税・脱原発など多くの政策がそうだ。

ある中小企業人の訴えを聞いてみよう。「皮膚病で苦しんだことがあります。医者に飲み薬の処方をお願いしたところ肝機能検査からされました。即効性の薬があるにはあるが今の肝臓の状態では持ちこたえられないから弱い薬を使いながら軟こうを塗れと言われました。その時むやみに強い薬を飲んでいたら皮膚病はすぐ良くなったでしょうが、肝臓を悪くしたでしょう。この頃うちの会社がまさにそのような状態なのに政府はむやみに強い薬を処方しています」

文在寅政府は主な経済イシューを巡り労使政が集まって討論して譲歩する大妥協を試みるべきだった。時間が多少かかっても。スウェーデンやオランダのような革新型福祉国家が通った道だ。韓国も企業が犠牲になれば労組が一歩後退し、政府は規制を覆す苦痛の分担の構造改革を模索すべきだった。しかし、これを飛び越えて一方の譲歩だけ強要する局面になった。

それでも大企業の総師は青瓦台(チョンワデ、大統領府)で文在寅大統領に会ってビールで乾杯し明るく笑った。過去にもそうだったように「夕立ちは避けるのが上策」だ。実は、大企業は大きく損することはない。法人税を少し多く払って公正取り引きに気を遣えば良い。大企業はグローバル市場で生き残るために自ら革新している。

問題は中小企業だ。Jノミクスには中小企業も革新を繰り返して成長できる規制フリー条件、金融環境を作ろうとする努力が具体的に見られない。大企業の横行を根絶して中小企業と共生するようにするという同伴成長策程度がせいぜいだ。

なぜこうしたことが起こるのだろうか。経済を資本家と労働者、富裕層と貧困層の間の矛盾・葛藤の構図から読み、そこから解決方法を探すのに慣れた運動圏・市民団体出身者などが政策を主導するためではないか。賃金・原子力発電所・不動産・福祉など主な政策を導く金秀顕(キム・スヒョン)青瓦台社会首席がその代表的人物であると取り沙汰されている。金主席は青瓦台と政府官僚で経済と社会政策を網羅し、文大統領が最も信頼する実力者「最側近首席」と言われる。

現政権経済政策の水面下の実力者で、官僚出身の卞良均(ビョン・ヤンギュン)元青瓦台政策室長がしばらく取り沙汰された。しかし、読み違えたことが判明したという雰囲気だ。卞元室長の最近の著書『経済哲学の転換』をじっくり読めばわかる。彼が主に主張したシュンペータ式の経済革新戦略は現政権政策で徹底的に敬遠されている。卞元室長の後輩である金東ヨン経済副首相や藩長植(パン・ジャンシク)雇用首席などが政策を主導できないのと同じ脈絡だ。

官僚は政策得失の両面性を推し量って優先順位を定める訓練がよくできている。だが、運動圏出身者などにはこれが現実に安住する反改革的行動に映って衝突するのが常だった。改革がそんな快刀乱麻のように成し遂げられるならばどんなにか良いだろう。今の経済政策の状況を見て最ももどかしがっている人の1人こそが卞良均元室長ではないかと思う。

キム・グァンギ/製作2担当・経済研究所長

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