中国資本が済州（チェジュ）で推進中の松岳山（ソンアクサン）遊園地開発事業が済州道の環境影響評価審議でブレーキがかかった。「今後、済州での乱開発を防ぐ」という元喜龍（ウォン・ヒリョン）済州道知事の意志が反映された結果とみられる。

済州道環境影響評価審議委員会は２５日、「最近、松岳山遊園地開発事業に対する環境影響評価審議の結果、再審の決定を下した」と明らかにした。この事業は中国系企業の新海園が３２００億ウォン（約３１９億円）かけて西帰浦市大静邑（ソギポシ・テジョンウプ）の１９万２０００平方メートルの敷地に客室５４５室規模のホテル２棟と文化センター・キャンプ施設・商業施設などを作る事業だ。新海園は２０１４年１２月当時の環境影響評価審議結果に基づいて２３日に補完計画書を出した。元知事が松岳山遊園地開発事業に対して全面再検討を言及した２０１５年４月から２年余りぶりのことだ。

この日、審議委員は１０対２で「再審議」の決定を下した。審議委員は「事業規模が３０％以上変更されれば影響評価を再び受けなければならない」とし、ホテルの階数を低くすることと環境質に対する追加調査などを要請した。これに対し事業者側は「環境破壊を防ぐために宿泊施設面積を減らし、緑地面積は増やした」と主張した。

新海園は今回の審議に先立ち宿泊施設の全体面積を２０１４年の２万５０５０平方メートルから１万９７４７平方メートルに減らした計画書を出した。一方、「ホテル１」と「ホテル２」など２カ所の客室数を既存の合計４５３室から合計５４５室に増やした。宿泊施設の面積を減らす代わりに階数を高くして客室数を増やしたのだ。

これに対して委員は「景観私有化」問題を挙げ「ホテルの階数を低くしなければならない」と要請した。高さ２８メートルの８階建ての『ホテル１』が建てば近隣の「トンアルオルム（東卵峰）」の７部稜線が眺望できないという理由からだ。自然環境保全法２８条には「主な眺望点でオルムの７部稜線が眺望できなければならない」とされている。また「高さ１８メートルの４階建て『ホテル２』は景観の審議を再び受けなければならない」という意見も出した。このホテルが２０１４年に審議を受けた７．９５メートルの高さの「コンドミニアム３」の場所に代わりに入ることで計画が変わるからだ。

その他、委員は事業地が自然海岸の近くにあるため松岳山近隣に作ろうとする商業施設や文化センターを全て事業計画から除外すべきという意見を出した。

松岳山遊園地は２０１３年１２月の事業推進時から環境破壊問題が議論されてきた。事業地近隣に地質・生態学的に保存価値が大きい松岳山や太平洋戦争の遺跡である海岸洞窟、陣地洞窟などが位置しているからだ。

環境影響評価審議委員長である済州国際大学建築デザイン科のキム・ボヨン教授は「事業の適法性の是非以前に、地域の自然条件や歴史性などを十分に考慮して事業を進めなければならない」と話した。