【コラム】文在寅大統領の雇用創出とサムスン自社株消却(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.12 15:47
歴代政権が規制改革の声を高めながらもすべて失敗したのは、既得権者の抵抗を突破できなかったからだ。産業別の寡占企業と正規職の労組が代表的な例だ。既得権者の票を意識する国会が結局、動かなかった。文大統領は改革のために協力と疎通の政治をすると約束した。既得権者および国会と絶えず対話するものの、うまくいかなければ国民に直接訴え、変化を引き出さなければいけない。
財閥改革を雇用創出と連係する実用的な政策も考えられる。財閥が敏感になる所有・支配構造問題は現実をある程度認める代わりに青年採用の約束を受けるという形だ。もちろん内部取引や資金流用など犯罪行為に対しては厳しく処断することを前提にだ。法人税引き上げに関しても雇用を増やした企業には例外的に従来の税率を適用するのはどうだろうか。
もう財閥も自ら変わる姿を見せる時になった。国民の冷ややかな視線を直視しなければならない。外国人株主の歓心を買うことには熱心で、国内の雇用創出にはなぜこれほど消極的なのかという不満だ。サムスングループの場合を見ても昨年、過去最大実績を出しながら、職員は1万3600人(6.6%)も減らした。このうちサムスン電子も人員を3700人減らした。その一方で45兆ウォンの自社株を消却した。いくら海外での利益が大部分とはいえ、いくら株主を重視するとはいえ、いくら国内労働市場が硬直しているとはいえ、納得しがたい。大切に育てた長男が成功した後、親や兄弟を捨てる場面を国民は連想しそうだ。