韓経:【コラム】韓国、大企業があまりにも少ないのが問題だ!
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.25 11:07
正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)大統領候補が勤労者の企業利益均霑(きんてん)権を要求するのは正義党の路線に合う。そのためでもあるが、我々は正義党には国富創出についても、勤労者の福祉についても、それほど期待するものがない。市場経済を搾取制度と理解するなら、利益均霑権はそれらしき治療薬に見えるだろう。従業員持ち株制度を通じたわずかな配当より、源泉利益の均霑がいわゆる「根本対策」と考えることもできる。しかしこれは中世の天動説と変わらない。目に見えるものがすべてではないと気づくのが科学の出発だ。市場を商人たちの不正な交換過程と見れば、市場の撤廃を政治の目標にするしかない。
勤労者利益均霑権は6月抗争の結果である1987年の憲法改正当時にも論争になった。しかし始点は制憲憲法にまでさかのぼる。利益均霑という言葉は制憲憲法草案の作成者ユ・ジンオの提案で憲法に挿入されたが、幸い、審議の過程で削除された。企業の利益がリスク選択への対価であり、それに対する補償と懲罰の過程を通じて文明が進歩するということを理解できなければ、資本と労働の対価がどのように違うか理解できない。ユ・ジンオは企業は国営企業を基本と見なし、貿易も民間貿易を原則上認めない国家独占貿易体制を想定した。民間貿易は密貿易だと考え、民間大企業は見たことがなかった植民地知識人の限界だったというだろう。いま韓国政界の一部で当時の企業観に固執するのは知的な怠惰でしかない。