【コラム】「サクラ」の名誉回復=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.14 11:11
中道主義を検索すると、このように出てくる。「右派や左派どちら側にも偏らず、中立的な政策を実施しようという理念」。もっともらしい概念だが、現実政界で中道とは「中立の人」や「日和見主義」などに批判されたりする。その中で一番は「サクラ」だ。「サクラ」の語源は日本語の「桜肉」で、色が薄紅色の馬肉だ。牛肉だと思って買ったが、食べてみたら馬肉だったということだ。朴正熙(パク・チョンヒ)政権で「中道統合論」を前面に出していた李哲承(イ・チョルスン)元新民党総裁がサクラと批判されたのが代表的な例だ。このように「中道」は韓国社会で公正や均衡よりは変節という意味で捉えられる場合が多かった。小説家の故朴婉緒(パク・ワンソ)先生の散文集には、このような文章がある。「あれでもこれでもない中間に立っていれば、サクラと批判されるかと思って明らかで極端な色を選ばなければならなかった」。
なぜ中道を蔑視してきたのだろうか。酒を飲んでもベロベロになるまで飲まなければならないと言うのではないか。何をしようが、最後までいかないと気が済まない韓国人の気質のためという分析もある。何より、ゆがめられた近現代史が中立的態度を決して許せなかったようだ。日帝侵略に命をかけて戦っているのに、軍部独裁に向かって身を投げているのに手をこまぬいて知らないふりをしているとは、不正に対する暗黙的同意ではないのか。敵に規定すればいっそ明確なことを、中間で立場をごろごろ変える人々がもっと格好悪く見えたかもしれない。