経済で心理は重要だ。周辺環境が厳しくても経済主体が状況を肯定的に眺めれば景気は生き返れるためだ。特に企業が現実を楽観すれば、いまは利益が出なくても投資に出られる。悲観的な判断をすれば反対の決定をしかねない。７－９月期の現実は後者に近い。４－６月期に回復した企業の投資心理が内外の各種悪材料で再び冷え込んだためだ。

１０－１２月期の見通しも明るくない。一部民間経済研究所などは１０－１２月期にマイナス成長または０％台の成長にとどまるとみている。

産業研究院が２３日に明らかにしたところによると、製造業者６５０社余りを対象に調査した７－９月期の製造業企業景況調査指数（ＢＳＩ）は市況が８４、売り上げが８３だった。前四半期よりそれぞれ６ポイントと１１ポイントの下落だ。１－３月期よりそれぞれ１３ポイントと１９ポイント上がり上昇傾向を見せた４－６月期の勢いは失われた。

ＢＳＩは企業の経済心理を示す指標だ。アンケート調査を通じ企業が感じる体感景気を０～２００の範囲内の数値で現わす。１００が基準点で、指数が１００より高くなれば前四半期より景気が良いと感じる企業が多く、指数が１００を下回れば景気を悪く見る企業が多いことを意味する。

調査結果を見ると、細部項目別でも体感景気の下落傾向ははっきりしていた。内需が８３で振るわず、輸出は９２で内需よりは良かったがやはり前四半期よりは下落した。経常利益（８２）と資金事情（８５）もやはり不振が続いた。設備投資（９８）と雇用（９６）は下がってはいないがやはり基準点より下だった。

７－９月期にＢＳＩが下落したのは情報通信技術（ＩＣＴ）と大企業の不振が大きな影響を及ぼした。４－６月期に１００を超え改善される姿を見せたＩＣＴと大企業の売り上げＢＳＩはそれぞれ９３と８５で１００を下回った。リコールに続き生産中止にまでなったサムスン電子のギャラクシーノート７問題、現代自動車のスト、構造調整を推進中の造船・海運業の不振などの悪材がかみ合わさったためとみられる。

実際に７－９月期の自動車業種の売り上げＢＳＩは７１で４－６月期より１６ポイント下落した。前四半期にＢＳＩ基準点１００を超えた電子は１４ポイント下落し９２を記録した。重化学工業、軽工業なども２桁の下げ幅を記録し８０ポイント台にとどまった。

こうした状況は民間経済研究所と政策経済研究機関の不安な見通しにつながっている。これら機関はほとんどが１０－１２月期の国内総生産（ＧＤＰ）成長率がマイナスか０％台にとどまるとみている。韓国経済研究院のキム・チャンベ研究委員は「消費と投資が１０－１２月期に萎縮する可能性がある。ギャラクシーノート７生産中止の余波を除いても成長率はマイナスだろう」と話す。ＬＧ経済研究院のイ・グンテ首席研究委員も「世界の景気が振るわない中で輸出不振が続き、建設投資も１０－１２月期に下落し成長率は０％台前半になるだろう」と予想する。

ただ企業の１０－１２月期に対する期待心理は研究機関よりは肯定的だった。産業研究院の調査で業界の１０－１２月期見通しＢＳＩは市況が９６、売り上げが９９で１００ポイント台に近づいた。自動車と電子機械、半導体と化学なども１００を超えた。内需も９８で前四半期見通しより３ポイント上がった。

国際貿易研究院のキム・ゴンウ研究員は「輸出対象国の景気反騰と輸出単価下落などで１０－１２月期の輸出はプラスに転じることが期待される」と話した。

国際貿易研究院のムン・ビョンギ首席研究員は「長期的には製造業のスマート化、サービス業とのシナジーなどを通じ産業競争力を強化しなければならない」と話した。