【社説】史上最悪の北朝鮮水害に向けられた複雑な視線
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.20 10:51
北朝鮮の北部地域の水害被害が深刻な模様だ。先月29日から今月2日の間に豆満江(トゥマンガン)流域を襲った台風10号ライオンロックの影響で観測史上最も多い雨が降りながら咸鏡北道(ハムギョンブクド)北部一帯が解放後最悪の洪水被害を体験しているという。今までに138人が死亡し400人余りが行方不明となり、住宅約3万棟が倒壊したというのが北朝鮮側の集計だ。現場を実態調査した国連人道主義業務調整局(OCHA)によれば緊急支援が必要な被災者だけで14万人、60万人が飲料水や保健問題に直面した状態だ。
水魔が残した惨状を秋夕(チュソク、中秋)連休期間にテレビで見守った韓国内の視聴者たちの心境は複雑だったことだろう。北朝鮮住民を助けたい思いがしながらも北朝鮮指導者のことを考えれば怒りがこみ上げてきたのではないだろうか。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は水害住民たちが極度の苦痛を訴えていたまさにその時、5次核実験のボタンを押した。咸鏡北道の北側では水災害のせいで叫び声を上げていたのに南側では核の花火を行っていたのだ。人民のためだという言葉が真心ならば被害住民たちの傷から見守るべきだった。核実験から10日が過ぎたが、彼が水害現場を訪れたという話はまだない。