【コラム】アベノミクスは失敗しなかった(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.22 08:56
だが相反するニュースも多い。高齢化にともなう労働人口の減少の影響があるとはいうが日本の6月の失業率は3.1%で1995年から21年ぶりの最低だ。仕事を見つけられず足をばたつかせる韓国の大卒就業者に日本での就職が代案に浮上するほどだ。長期の構造調整で体力を補完した造船、鉄鋼、化学など伝統的製造業は再び走っている。経済成長率は低調だが他の先進国と比較するとそれほど悪い水準でもない。1人当たりGDPも緩やかだが数年にわたり上昇が続いている。
それでも安倍晋三首相率いる日本政府はまた強行する考えだ。今月初めに28兆円の景気浮揚策を発表したのに続き来月には日本銀行が再び量的緩和カードをいじっている。こうした浮揚策の目標はデフレ克服、経済成長率回復だ。さらには中国との競争でさらに押されては困るという焦燥感もアベノミクスの背景のひとつとみられる。
日本は2010年にGDP2位の座を中国に渡した。1988年に世界2位となってから22年ぶりだ。その上中国との格差はますます広がっている。経済が特別に悪くないのに途轍もない財政赤字を甘受しながらも景気浮揚に出て、中央銀行がヘリコプターでお金をばらまく理由だ。いくつかの経済指標を突きつけアベノミクスが失敗したとして喜んでいる状況ではないという話だ。サムスンジャパン社長を歴任したキム&チャン法律事務所のチョン・ジュンミョン顧問は「現在の状況で成否を断言するのは難しいとしても惰性に慣れていた日本経済にアベノミクスが活力吹き込んだのは明らかだ」と話した。