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韓経:【社説】張勝和WTO上級委員の再任に反対、米国はなぜこうなのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.06.03 10:26
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米国の反対で張勝和(チャン・スンファ)世界貿易機関(WTO)上訴機構委員(ソウル大教授)の再任が難しくなったという報道が続いている。2012年に選出された張委員は先月31日に4年の任期を終えた状態だ。再任するにはすべてのWTO紛争解決機構(DSB)加盟国の同意が必要だが、米国が再任という慣例を崩して反対したのだ。残りの現職委員6人と元委員全員(13人)が米国の行動に懸念を表す書簡と声明書をそれぞれWTO DSBに伝えたが、米国は立場を変えていない。

米国の再任反対論理は理解しがたい。DSBの最近の判決を問題にしている。「判決文が過度に学術的で、判決の根拠が枝葉的」と主張する。しかし実際には張委員が最近3件の紛争で米国に不利な判決を出したことに不満を抱いているという。特に韓国産洗濯機反ダンピングの二審を控え、米国側に不利な結果が出るのを遮断するための布石という観測が支配的だ。判決の結果によっては米国の反ダンピング関税制度が一気に崩れかねないほど波及力が大きいため、米通商代表部(USTR)が強行手段に出ているということだ。今年末に近づいた中国の市場経済国地位認定をめぐる紛争に備えるため、アジアで推薦された張委員を標的にしたという声もある。

 
明らかなのは米国で保護貿易主義がよみがえっているという事実だ。自国の利益のためには国際的な非難くらいは甘受するという強硬な態度からそうだ。トランプ氏が韓国などの対米貿易黒字規模を繰り返し問題視するのは、有権者の胸中を読んだ結果であろう。単に国際機構委員1人の再任問題で終わることではない。さらに露骨で全方向の通商圧力が増える可能性が高い。政府の細心かつ戦略的な対応が必要だ。

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