【社説】生活化学物質を安全に使用できる国なのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.06 15:49
妊婦・乳児など143人が肺の損傷で死亡した加湿器殺菌剤死亡事件に対する検察の捜査が本格的に始まり、生活化学物質の安全性問題が俎上に載せられている。今回の事件は科学的に見ると「殺生物剤(Biocide)による公衆保健危機」に該当する。殺生物剤とは生活環境で人間が望まない微生物・虫などを除去する生活化学物質だ。衛生を重視する現代社会では必需品となっている。生活化学物質の30%ほどを殺生物剤が占める理由だ。
殺生物剤は低濃度で使用されるが、人体に露出するうえ露出の頻度が多い。このため職業病を起こすおそれがある産業用有毒物質に劣らず厳格に管理されなければいけない。最も大きな問題は、人体に対する安全性が完全に確認されていない物質も市場に堂々と流通している点だ。より衛生的に生活しようと使用した加湿器消毒剤が人間の命を奪った今回の事件も、こうした管理問題で生じた人災だったと見ることができる。床の清掃に使用する殺生物剤を安全性の確認もなく加湿器消毒剤に転用し、それが肺に問題を起こし、結局、大きな惨事につながった。