最近では中国が韓国のコンテンツ企業に対する直接投資を増やして企業を買収する例が次々に登場している。２０１４年１０月に華策影視は、国内３大映画配給会社であるＮＥＷの持分１５％を買収して２大株主になった。華策影視とＮＥＷは今後、中国進出を念頭に置いて国内ドラマ制作に積極的に乗り出している。現在『太陽の末裔』がその光を放っている。莫大な投資を通した事前制作、中国内の審議通過、韓国内での放送編成という３つの難関を解決するために中国資本が含まれた制作会社の役割は小さくなかっただろう。

２０１４年１１月にＪｕｎａ　Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌがドラマ『朱蒙（チュモン）』の制作会社だったＣＨＯＲＯＫＢＡＥＭメディアの株式３１．４％を買収しながら国内メジャー放送制作会社が中国に売却される初めての事例となった。トボット（ＴＯＢＯＴ）などを製作した国内屈指の玩具キャラクター企業のＹＯＵＮＧＴＯＹＳと北米ボックスオフィス１位の神話をつくった国産アニメーション『Ｔｈｅ　Ｎｕｔ　Ｊｏｂ』を製作したレッドロボもまた昨年、中国企業に経営権を譲渡した。いわゆる「チャイナマネーの空襲」という言論表現が誇張されているだけではない。

韓国コンテンツ業界の中国「ラッシュ（ｒｕｓｈ）」について「流出」か「進出」か議論がある。現在ではこのような議論を抑えたり解決したりする方法が当然ない。明らかなのは中国は「文化産業強国」という目標達成のために海外コンテンツ規制を強化する一方で、自国に必要な人材や企業は積極的に誘致するつもりだといった点だ。では私たちはどのようにすべきか。流出だと考える側では、規制を強化して保護膜をつくるべきだと主張する。韓国の文化的資産を簡単に渡してはいけないという論理だ。進出だと考えている側では、むしろ政府が奨励すべきだと主張する。米国市場に出て行くのは進出であり、中国市場に出て行くことをなぜ流出とみるのかという疑問も提起している。

しかし現実は私たちのそういう憂慮とは関係なく流れている。すでに相当数の韓国ゲーム企業はさまざまな形で中国の影響下に入った。流出と進出を論じる前に状況が終了してしまったのだ。『太陽の末裔』によって改めて中国市場と資本が注目されている。これまでの過程を見るなら、「安値」で渡してしまったいくつかのコンテンツと屈指の国内ドラマ制作会社について胸が痛くなるかもしれない。だが慢性的な弊害だった「断片台本」と「生放送撮影」が一挙に消えて関連市場が活気を帯びることになったことは明らかに喜ばしい点だ。今年の下半期に上映される予定でイ・ヨンエのドラマ復帰作として注目されている『師任堂（サイムダン）、ｔｈｅ　Ｈｅｒｓｔｏｒｙ』もまた『太陽の末裔』とさまざまな面で似ていており、再び期待がかかっている。

キム・ギュチャン韓国文化観光研究院副研究委員


＜チャイナインサイト＞中国に駆け寄る韓国の文化産業…流出なのか進出なのか（１）

＜チャイナインサイト＞中国に駆け寄る韓国の文化産業…流出なのか進出なのか（２）