<インタビュー>「韓国安保の二重危機」vs「危機から機会くる」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.02.26 17:05
--対北制裁のカギを握っている中国の協力を引き出すためにも、THAADカードはもう少し惜しむべきだという指摘がある。
崔院長=中国も我々が最初からTHAAD配備を望んだわけではないことを知っている。我々の安保のためにやむを得ずTHAAD配備協議決定を下したのだ。韓中関係の悪化を懸念する見方が多いが、むしろその反対になり得る。李明博政権当時に中国の反対を押し切って韓日米連携を強化したため、朴槿恵政権で韓中関係が良くなった側面もある。中国の立場で韓日米連携を阻止しようとすれば韓国を引き込むしかない。THAAD配備カードが中国に対する圧力として作用し、北の問題に対する中国の協力を引き出す可能性もあると考える。
権教授=THAADは軍事的実効性が検証されていない武器体系だ。命中率が90%といっても100%でなければ意味がない。いくら粗悪なレベルだとしても核爆弾一つがソウルに落ちればソウルは「火の海」ではなく灰となる。またTHAADは我々の安保を非常に脆弱にする危険がある。THAADを配備すれば、中国は排他的経済水域(EEZ)が画定されていない西海(ソヘ、黄海)に軍艦を送る可能性がある。また核兵器の一部を韓国に向けて配備するだろう。米国がチェコとポーランドにTHAADを配備しようとすると、ロシアは米露間の核均衡を崩すとして強く反発した。有事の際、核兵器でチェコとポーランドを打撃するという脅迫もした。THAADが韓国に配備されれば、北の核に中国の再均衡変数までが加わり、韓半島の安保地形はさらに危険になるしかない。米中葛藤はさらに激しくなるはずで、韓国はますますその中に吸い込まれていく可能性が高い。