原油安より恐ろしい人民元安=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.02.09 08:34
今年に入って原油価格が20ドル台まで落ち、韓国ウォン安になっているが、経済が改善する兆しは見えない。毎日続く原油安と為替レートの大きな変動性は疲労感まで感じさせる。冷静にその意味を考え、見逃しているリスクはないか点検する時だ。
まず明確にしておくべきことは、原油安にもかかわらず、なぜ国内外の経済が改善しないのかという点だ。世界経済不振による需要の冷え込みが原油安の重要な原因であるためというのが簡単な答えだ。しかし他の条件が不変という状況で原油価格だけ下落しても、プラスの効果がない場合もある。原油安は産油国から原油輸入国に所得を移転させ、家計購買力が増え、企業の生産コストが減る。この時、産油国の需要減少など景気低迷効果よりも原油輸入国の需要増加など景気拡張効果がより大きければ、原油安は世界経済を改善させ、逆の場合には世界経済を冷え込ませる。金融市場が発達し、資本の移動が非常に効率的になれば、理論的に原油価格が実物経済に及ぼす効果はないが、現実は違う。