【論争】『帝国の慰安婦』著者起訴…歴史で名誉毀損を問うてはいけない(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.12.16 14:11
「歴史」は「歴史学」が作り、歴史学は「民族・国家・男性」で構成される。歴史学者たちは、慰安婦の徴募が日本帝国の「売春構造」の一部だったということを幅広く認めている。それと共に『帝国の慰安婦』が、日帝が構造的に構築しておいた徴募に「業者(抱え主)」の役割を強調することによって日帝の責任を希薄にさせたという。正当な批判だが、著者もやはり慰安婦問題の「構造的な強制性」が日帝にあると明確にしている。歴史学者たちが避けたいのは、業者(抱え主)の中には多くの朝鮮人がいて、行政組織の朝鮮人の末端職員が加担していたということだ。
金裕貞(キム・ユジョン)の小説には、貧しい家の夫が抱え主になって妻を売り飛ばす話が多い。その理由を日帝の苛酷な侵奪で説明すればとても容易だ。だがそのようにすれば階級やジェンダー(Gender)は消えてしまう。金裕貞文学の真実は「貧しい家の夫が妻の体を売った」ことであって、決して「金持ちの家の妻が夫の体を売った」のではない。李箱(イ・サン)の小説『翼』も、植民地の男性のPalus(男性の象徴的権力)が去勢されたことだけを読むが、小部屋の中の夫が無力な「宦官のふり」をする抱え主だった可能性は見られない。